グアテマラというと治安が悪いイメージがある人が多いでしょう。しかしそんなグアテマラも、危険な場所さえ知っておけば、危険を回避できるんです。実際私が滞在しているアンティグアは治安がよく、昼間ならほぼ日本と同じように歩けたりします。
そこで今回は、グアテマラでどこが危険なのか、そしてグアテマラに滞在する際にどんなことに気をつけるべきなのかをまとめてみました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
▼もくじ
グアテマラで治安が悪いと言われている地域
まずはグアテマラで治安が悪いと言われている地域について、その実際の状況をご説明していきます。グアテマラに来る際は、なるべく治安が悪い地域には近づかないように注意し、安全に過ごしましょう。
首都グアテマラシティ
グアテマラで誰もが口を揃えて治安が悪いというのが、首都のグアテマラシティです。現地の人でも危険だと言って警戒する地域ですから、外国人にとっては最も気をつけなければならない地域の1つです。グアテマラに限らず、中米は首都が治安が悪いということでよく知られています。
グアテマラシティはエリアをZona(ソナ=英語でゾーンのこと)という言い方で分けていて、Zona1からZona25まで存在しています。
このうちよく危険だと言われるのが旧市街にあるZona1でしょう。しかしグアテマラシティは全域危険と思って間違いありません。首都ということでたくさんのモールやショップがそろっていて、現地の人も週末にグアテマラシティに買い物に出かけたりするのですが、昼間でも注意が必要な都市です。
Zona1~4くらいまでは、殺人事件多発地域とされています。グアテマラシティの旧市街中心地もこのあたりなため、人が多い地域なのですが、それだけに強盗が多発する地域なのです。
Zona10と、空港のあるZona13は旅行者が多いため、旅行者を狙った犯罪多発地域です。ここで注意しなければならないのは、空港さえ安全ではないということ。特に夜到着の便を使うなら、必ずピックアップを頼んで、空港からは出ないようにしてください。
また昼間着だとしても、空港からは出ずに空港内にあるタクシーカウンターでタクシーをお願いしましょう。
グアテマラシティが危険なのは、コスタリカ・ベリーズを除く中米全域に存在する青少年凶悪犯罪集団・マラスが存在しているからです。彼らは銃器を使用した強盗、殺人、窃盗などをする集団で、日中でも出現します。警察もどうにもできないような凶悪犯罪集団で、このマラスの存在により、中米は危険地帯が多く治安が悪いとされているのです。
国境周辺
国境周辺も注意が必要な地域です。不法入国者の出入りや、麻薬組織の出入りなどがあり、犯罪に巻きこまれる可能性があります。
とはいえ、国境周辺を1人でうろうろするようなことはほとんどないかと思いますから、陸路で移動する場合にも、きちんと観光バスなどで移動するようにすれば、ほとんど心配はないでしょう。
2019年4月現在、最も危険とされるのはホンジュラスとの国境付近です。アンティグアからコパン遺跡に向かう人などは、それ以外のルートをうろうろしないように気をつけましょう。
ペテン県の観光地以外の地域
ペテン県というと、ティカル遺跡やフローレスといった有名な観光地のある地域です。しかしこのペテン県は、これらの観光地以外の地域は危険とされています。
2018年11月にグアテマラで日本人女性が殺害された事件は、記憶に新しいという人もいるでしょう。あの事件もペテン県のサンタアナ市という場所で起きた事件です。
現地住民も、治安が悪い場所になぜ外国人が女性2人で住んでいたのかと首をかしげる事態でしたが、その地域が治安が最悪だということを理解していれば、起きなかった事件かもしれません。
ちなみにこの地域は、フローレスからたった30kmしか離れていない場所です。治安が比較的良い観光地も少し外れると危ないということを表す例ですね。
その他の地域
グアテマラは全体的に治安が良いとは言えない国です。ですから、その他の地域でも街から外れた場所、あまり人が住んでいない場所、警察がいない場所というのは、すべて危ないと思った方が良いでしょう。
また治安が良いとされている地域でも、深夜は男女共に気をつけなければなりません。
観光地として人気のあるアンティグア、アティトラン湖周辺、フローレス、チチカステナンゴ等は、比較的治安が良いとはされています。しかしこちらも少し中心部や観光地を外れると危険であることは重々理解して行動するようにしましょう。
また、治安が良いと言われていても、人気のない場所では警戒して行動することをおすすめします。治安が良いと言われる地域は、昼間はほとんど日本のようにリラックスして過ごせますが、やはり日本よりは治安は悪いので、用心するに越したことはありません。
チキンバスや流しのタクシー
治安が悪い地域というテーマとは外れてしまいますが、チキンバス(現地ではカミオネタと呼ばれる)や流しのタクシーの使用は控えましょう。
強盗やスリなどの被害が多発しています。その対象には現地の人も含まれますが、旅行客がいれば必ず狙われます。また犯罪集団によるバス運転手の殺害事件なども頻繁に起こっているので、チキンバスは安全ではありません。
治安の良い地域内を移動する短距離移動ならそれほど心配はいりませんが、長距離移動の際にはシャトルバスや観光バスを利用するようにしましょう。
グアテマラの犯罪傾向
次に具体的にグアテマラではどんな犯罪が起こっているのか、その傾向をご紹介します。犯罪に巻き込まれないためには、どういう犯罪が起こるのかを把握しておくことも重要です。
殺人事件
グアテマラシティでの発生が多い殺人事件ですが、それ以外の地域でも多発しています。前述の青少年凶悪犯罪集団・マラスによる殺人もあれば、地元住民による殺人もあるとのこと。
特に2018年11月には日本人女性が殺害される事件、そして2019年3月にはアティトラン湖周辺の村である、サン・フアン・ラ・ラグーナの外れでイギリス人女性が殺害される事件が起きています。このことからもわかるように、観光客、特に女性は狙われやすいので注意が必要です。
しかし、どちらも治安が悪い地域を把握し、夜1人で出歩かないなどといった基本を抑えていれば防げた事件です。
ちなみに現地女性の場合は、暴行のすえ殺害という事件もよく起きています。こちらは治安の良い地域から少し離れたところで起こることもある事件です。女性は夜の1人歩きは、たとえ治安の良い地域でも控えるべきです。
強盗・窃盗事件
当たり前のようにグアテマラ各地で起きているのが、強盗や窃盗事件です。こちらはマラスによるものも、そのほかの事件も多数起こっています。
前述のチキンバス内で発生するほか、お店や道を歩いているときに発生するものなど、発生場所や条件はさまざまです。
スリや軽い窃盗程度なら、たとえ治安の良い場所でも起こる可能性があります。お財布はもとよりスマートフォンやパソコンの管理はしっかりしておきましょう。
銃器による犯罪
恐ろしいことにグアテマラは銃器の所持が認められている国です。もちろん許可をとることは必要ですが、そうした許可が取れる国だということも覚えておきましょう。
また、マラス関連では違法銃器も多数出回っていると言われています。銃器の取り締まりは強化されているとは言われていますが、マラスによる違法銃器所持はどうにもできないこともあり、銃器による犯罪も頻発しているようです。
麻薬関連
麻薬というとメキシコやコロンビアといったイメージがありますが、グアテマラは地理的にそうした国と近いことも忘れてはいけません。
メキシコやコロンビアの麻薬組織がグアテマラでも活動していることが報告されています。特に、前述で治安が悪い地域として挙げたペテン県は、そうした麻薬密売組織が活発に活動しているようです。地理的にメキシコから近いことが原因でしょう。
普通に観光していて麻薬組織と関わることはありませんが、麻薬組織が活発に活動する地域にいれば、組織同士の争いに巻き込まれたりすることがあることも頭にいれておきましょう。
まとめ
今回はグアテマラの危険情報についてまとめてみました。これを見ると、怖くなってグアテマラに来たくなくなってしまうかもしれませんね。
しかしちゃんと治安が悪い地域を把握し、夜1人で出歩かないようにしていれば、それほど心配するようなことは起きません。現に私はアンティグアに住んでいて、危険な目にあったことはありません。
夜出歩かないようにすると言っても、Uberなどを使って目的地まで連れて行ってもらうのなら、危険はないでしょう。Uberのドライバーが怖いと思うなら、しっかりレビューをチェックしてから呼べばいいだけのことです。
また、女性の場合はできれば送り届けてくれる男性がいると安心ですね。