英語勉強法

愛知医科大学 医学部の英語対策:入試予想問題付き

こんにちは!英語勉強法ライターのYoshiです。普段は予備校で英語の講師をしています。今回は、愛知医科大学の語彙対策について書いてみました。

語彙の習得は受験生にとって一番の課題だと言っても過言でないほど語彙に悩まされている人は多いのが現状です。

覚えるのに一苦労するし、覚えても復習をしっかりとやらないとすぐに忘れてしまうし、語彙って本当に厄介な存在ですよね。

でもそれができないと長文が読めるようにならないだけでなく、文法の問題を解く際においても弊害が出てきてしまう。。

この記事では単語の覚え方などについては話しませんが、単語帳をある程度覚えてきた人たちに向けて愛知医科大学ではどれほどのレベルの語彙力が求められるのかを探っていこうと思います。

▼もくじ

 愛知医科2017年度 一般入試で出てきた単語

さっそくですが、以下の単語を聞かれてすぐに日本語訳が出てきますか?愛知医科の2017年度の一般入試で実際に出てきた単語です。

  • citizen
  • immigration
  • affordable
  • depict
  • pursuit

以上の単語を見て3秒以内に日本語訳が出てきた人はしっかりと定着できている人です。もしちょっと考え込んでしまった人は復習をしっかりとやり、いつでも知識を新鮮な状態に保っておく努力を怠らないようにしましょう。

ただでさえ、時間が足りない長文ですから、すぐに意味がとれるようにしておくのは長文を素早く読んでいくうえで最低限やるべきことです。

 愛知医科の語彙 3つのタイプ

愛知医科の長文を見てみると語彙は以下の3つのタイプに分類することができます。

  1. 知っていないといけない単語
  2. 知っているんだけど意味が曖昧な単語
  3. 難易度が高い単語

問題は何を基準に以上の3つの分類をしているのでしょうか?

みなさんが使っている単語帳です。学校や先生によって使用している単語帳は異なると思いますが、それがなんであろうが1冊完璧に終わらせておくことで、その単語帳が愛知医科大学の入試に必要とされる語彙力のバロメーターになります。

つまり、単語帳を覚えたあと過去問を演習してみて、知らない単語が多いのであれば志望校のレベルとその単語帳のレベルが合致していないことになり、知らない単語が少しなのであればレベルが合致していることになります。

上記の⑴と⑵の単語はあなたが使用している単語帳のなかにある単語です。

⑶に関しては難易度の高い単語帳を使っていればあると思いますし、もちろん載っていない単語帳もあります。そういった場合は自分の単語帳あるいは単語カードを作成し、覚えるようにしましょう。

単語をカテゴリー分けしてみる

さて、具体的にそれぞれのカテゴリーに入る単語がどんな単語なのかを見ていきましょう。

知っていないといけない単語

citizen / immigration / affordable / depict / pursuit..etc.

知っているんだけど意味があやふやな単語

rationality

難易度が高い単語

longevity / therapeutic / hygiene / ramification / deploy / aversion..etc.

カテゴリー1

⑴のカテゴリーに入る単語は先ほどチェックした単語ですね!これらの単語は覚えていなくてはいけない単語なので知らない人は復習を徹底的にしておきましょう。

カテゴリー2

また、⑵の単語はただ覚えているだけでなく、語の定義をしっかりと理解しておく必要のある単語です。

2017年度一般入試の最後の長文にrationalityという単語が出てきますが、語彙力がしっかりと備わっている人は「合理性」という訳語がすぐに出てくると思います。

しかし、問題は「合理性」と聞かれてその意味を説明できるか?ということです。

こういった単語は抽象的であるため、訳語を聞いてもピンとこないことがあります。

そうすると長文を読み進めていくうえで理解が中途半端になるため、最後までサラッと読み進めてみたけど内容が全く入ってこないという状況に陥ることにだってなりえます。

そういったことを避けるためにも日頃、和訳を確認して意味がよくわからないものは国語辞典、あるいは英英辞典を調べることで語彙の定義を明確にし理解しておきましょう。

また、ただ定義を調べるだけでなく、例文を必ず確認することでその単語が文脈の中でどのように使われているのかを確認することもしておきましょう。

カテゴリー3

⑶のカテゴリーに入る単語ですが、かなりレベルの高い語彙であることがわかると思います。このことから愛知医科の入試に向けて高い語彙力を身につけておく必要性があるでしょう。

しかし、どれほど単語を覚えたとしても長文を読んでいるとどうしても知らない単語は出てくるものです。

そして長文のなかでわからない単語が出てきただけで心配になってしまって、長文の理解ができなくなってしまう人をたまにみかけます。

そういう人に限ってすぐに辞書を引いて意味を理解しようとするのですが、そうするのではなく、文脈のなかでその語彙がどのような語彙の言い換えなのかを考える習慣を身につけましょう。

そして、長文を解いたあとは自分のオリジナル単語帳に追加して覚えます。

2つの未知語推測法

文脈からどのように語彙の意味を推測するのかについてですが、ここでは未知語の推測方法を2つ教えたいと思います。とても役に立つツールなので覚えて実際に応用することで自分の武器にしてしまいましょう。

未知語推測法①:言い換えを見つける

affordablelow-costの言い換えである

 [8行]The development of affordable machines that can assist in caring for the elderly.

 [17-18行] Building a low-cost robot with sufficient dexterity to assist with personal hygiene or using the bathroom.

未知語推測法②:等位接続詞ORを利用する

hygienebathroomの言い換えである(つまり「個人的hygiene」=「トイレを使用すること」)

 [18行] assist with personal hygiene OR using the bathroom

 

等位接続詞のORは未知語を推測するときに役に立つ便利なツールなので知っておきたい。

ORの基本的な働きは

⑴言い換え(A≒B)

⑵対比(A⇔B)

2つである。

今回のhygieneの場合は⑴の言い換えになるため、ORの後を確認してあげることでhygieneの意味が推測できるだろう。

まとめ

今回の記事は愛知医科の語彙対策に焦点を絞ってきましたが、いかがでしたでしょうか?この時期から過去問演習をする機会が増えていくと思います。

過去問をすでに演習してしまった人には、傾向のおさらいとしてこの記事を利用していただき、まだ演習していない人には傾向の把握としてこの記事を利用していただけると嬉しいです。

3つのポイントのおさらい

⑴ 標準レベルの語彙力だけでなく、発展レベルの語彙力も身につけておくこと。

⑵ 定義があやふやな語彙はしっかりと辞書を使って定義を明確にし、理解しておくこと。

⑶ 長文で未知語に出会った場合、未知語推測法ツールを用いて意味を推測してみる。

 

愛知医科大学 医学部の英語<単語・熟語編②>

前回のM<単語・熟語編①>では実際の過去問を確認し愛知医科大学が受験者に求めている語彙力を3つのレベルに分け、またその対処法などを一緒にみてきましたね。

今回の<単語・熟語編②>も語彙の話になりますが、少し視点を変えてどんな語彙力を養っていったらよいのかについて話していきたいと思います。以下に愛知医科に必要な語彙の種類を4つに分類してみました。

いろいろな意味をもつ単語

多義語って聞いたことありますか?一つの単語にいろんな意味をもつ単語のことを指します。おそらく、みなさんのなかにも勉強ができるだけじゃなく、スポーツや音楽などいろんなことを器用にできる人がいると思います。同じ人なんだけどいろいろな才能があり、能力におけるさまざまな側面があるわけです。

単語にも同じことが言えて、1つの単語に対して1つの意味だけじゃなくて、たくさんの意味をもつ単語があるんですね。例えば、subjectという名詞を知っているかと思いますが、聞いてどんな訳語が思い浮かびますか?

おそらく、「教科」という答えが一番多いのではないかと思います。しかし、実は他にもいろんな意味をもつんですよ!他にも「主題」や「被験者」という意味などがあります。

実は2017年度の推薦入試でもいろんな意味をもつ単語が出題されました。実際に過去問で確認してみましょう。また、空所補充の解き方に関しては愛知医科の過去問分析について書いた記事がありますので、そちらの方を参考にしてみてください。

では、過去問を見てみましょう。

2017推薦入試

・There was a national debate over whether to move certain national holidays to the nearest Monday, to create three-day weekends. I found it hard to believe there was even a debate

: What could be the possible argument against the chance of a proper ( a )?

・“Gogatsu-byo”, apparently, is caused when Japanese people are allowed several days off in ( b ) during Golden Week.  

( a )と( b )に入る最も適当な1語をイ〜へから選び、その記号を書きなさい。

ただし、それぞれの語は1回しか使えない。

イ age    ロ break    ハ dislike    二 preference    ホ succession    へ work

引用:愛知医科大学2017年度推薦入試

解答・解説

結論から言うと、上記の( a )にはbreakが入り、( b )にはsuccessionが入るわけなのですが、問題はその意味を知っているかというところです。

breakはここでは名詞で「休憩」という意味をもち、successionは「連続」という意味を持ちます。おそらく、breakを動詞で知っている人は「破壊」までは推測できたけど、まさか「休憩」という意味なんて知らないよと思っているかもしれません。

ましてや、successionからどうやって「連続」を推測できるのか?とイライラしている人もいるかもしれません。こういった単語にどうやって対処していったらいいのか一緒に見ていきましょうね。

 

コアワードを捉える

こういったいろいろな意味をもつ単語は核(=コア)となるイメージを捉えることが大切です。これは語彙だけでなく、さまざまな用法をもつ前置詞にも同じことが言えます。

じゃあコアイメージをどうすれば分かるの?と質問されるかもしれません。

実は辞書に載ってるんですよ!試しにジーニアス辞書とオーレックス辞書を使って2つの単語のコアイメージを一緒に捉えてみましょう。


BREAK【基本義:こわす、断つ】

SUCCEED
【中心義:後に続くようなよい結果となる(*文脈によって「後に続く」という側面か  「よい結果となる」という側面のどちらかに重きが置かれた意味になる)】

引用:オーレックス英和辞典


基本的にコアイメージは各語彙ページの冒頭に書いてあります。ジーニアスのように辞書によっては[語義展開図]をクリックしないとコアイメージが出てこない場合もありますが。。コアイメージを捉えると一気に他のコアから派生した意味が理解できるようになってきます。

例えば、BREAKの場合、コアは「こわす」という意味ですが、その核となるイメージを物理的破壊から時間的な流れの破壊に応用することで「休息」の意味が浮かび上がってきます。つまり、「連続した時の流れをこわす・断つ」→「休み」と意味が展開していくんです。おもしろい!

同じことがSUCCEEDにも言えます。コアイメージは「後に続くようなよい結果となる」で「後に続く」に重点が置かれた名詞がSUCCESS(=成功)で後者の「よい結果となる」に重点が置かれた単語がSUCCESSION(=連続)という意味になります。

SUCCEEDと聞くと自動的に「成功」という単語が思い浮かびますが、実は「後に(suc=next to)続く(ceed/cede=go)」が本来最初にあった意味でその後で「後に”良い結果”が続く」と発展して「成功」という意味が出来上がったようです。これもまたおもしろい!

このように、愛知医科ではいろんな意味を含む単語が問われることがあるので、多義語や混同しやすい形容詞などに関する知識を整理して覚えておきましょう。

同じような意味をもつ単語

愛知医科の入試ではさまざまな形式を使って受験生の同義語に関する知識を問いてきます。

例えば以下のように

⑴独立した語彙問題として同義語知識を問う場合

⑵長文問題の一部として下線部同義語問題で同義語知識問う場合

⑶空所補充問題で問う場合

大きく3つに大分されます。過去問で一緒に確認してみましょう。

2016一般入試

下の語群のいずれかとほぽ同じ意味の語を入れて(1)~(5)の文を完成しなさい。(破線の数は文字数を表わす)

⑴ On Tuesday mornings, my wife asks me to take out the g _ _ _ _ _ e on my way to work.

⑵ To the d _ _ _ _ _ t of his proud parents, he made a full recovery.

 語群 ・far away ・great pleasure ・in the end ・not obvious ・trash ・very rarely

 

語彙問題

2016年の一般入試では左記のように、語彙問題として同義語が問われた年度もありました。生徒にも実際に問題を解かせてみた。

⑴のようにtrashの同義語は「ガーベッジ」だとすぐに分かるのだけど、garbAgeなのかgarbEdgeなのかとスペルが迷ってしまうタイプもあります。

⑵のように語群をみれば、great pleasureで選択肢を絞れるけど、pleasureの同義語が出てこないというタイプもあります。

ちなみに、

⑴の答えはgarbage
⑵の答えはdelight

です。こういった問題が解けるようになるためには、常日頃から同義語を意識していかないと解けるようになっていきません。

2015推薦入試

  Aimee Mullins has 12 pairs of legs. Like most people she was born with two, but unlike most people Mullins had have both legs amputated below the knee due to a medical condition. Mullins has lived with no lower legs since her first birthday.

下線部に最も近い意味の1語を1〜5より選び、その番号を書きなさい。

 1 damaged 2 injured 3 numbed 4 paralyzed 5 removed

 

下線部同義語

2015推薦のamputateのように難易度が高い語彙に下線部が引かれているタイプもありますが、2016一般の大問4の長文で問われているoppressiveのように語彙の難易度が高くないタイプもあります。

語彙の難易度が高い場合、出題者はamputateという単語を知っているか?と受験者に対して問いているというよりも文脈の中で言い換えを見つけられるかどうかという能力を問いているように思います。

後続文では「(1歳の誕生日から)脚がない」と述べらているので、amputatedを「切断された」という意味に特定することができます。

選択肢をみればremovedがあるのでそれを選べば済む話ですが、「切断する、切る」を聞いてremove以外にも同義語が出てくるまでにしておく必要があります。例えば、get rid ofeliminateなどが出てきたらとても良い語彙力をもってると言えると思います。

また、後者のoppressiveのように語彙の難易度が低い場合は、まずその語彙を知っているかが問われ、また文脈のなかでニュアンスが少し変化するような場合はその変化をしっかりと読み取り、一番近い選択肢を選ばなくてはいけません。

また、oppressiveの同義語ですが、2016一般入試の長文の文脈を見ると、oppressiveが日本語訳では「抑圧的」になるため、harsh/cruelなどを選ぶこともできますが、threateningの方が文脈と合致すると思います。

2016推薦入試

  “Hello,” I smiled, hoping to reassure her. She said nothing, only continued to breathe with effort. We looked at each other for a moment, lacking any other means of communication. “Doctor,” I said, pointing to myself. She nodded without losing her anxious expression. (中略)

I imposed on my translators for just a few more minutes. “Could you please explain that this is an *IV line to give her medicine like the pills? The green tube carries oxygen to help her breathe better.” Surely they did not know the right translation for some of the words, even when I gave them the simplest possible descriptions, but she seemed to understand, and her eyes became less ( A )

*IV line:点滴静注の管

( A )に入る最も適当な1語となるように、破線部を補充しなさい。(破線の数は文字数を表す)

 t _ _ u _ _ _ d

 

空所補充問題

2016の問題ではanxiousの同義語が問われました。文脈を追っていけば、( A )に1段落目の3行目にあるanxiousという単語が入ることがわかります。しかし、問題はanxiousの言い換えを知っているかです。

おそらく、worriedconfusedなどはパッと頭に浮かぶかもしれませんが、設問を見ると縛りがあって、Tで始まりDで終わらなくてはいけません。

このように条件があるとなかなか答えが思い浮かばないものです。

ちなみに

答えはtroubled

です。ものすごい難しい単語が問われるわけではないので、過去問を中心に同義語を整理しておくといいかもしれません。

Sがつくかつかないかで意味が異なる単語

名詞の面白いところは、不可算名詞であるか可算名詞であるかで名詞がもつイメージが変わってしまうところにあります。これは日本語にはない特徴ですね。

また名詞の面白いところはSをつけるかつけないかで名詞がもつ意味がガラリと変わってしまうところにあります。

例えば、リンゴを例にあげると、an appleの場合とapplesの場合とappleの場合と全部イメージが異なります。

簡単に言いますと、an appleはリンゴ一個のイメージapplesは複数のリンゴのイメージ、そしてappleはすりおろしたリンゴのイメージです。おもしろいでしょ?

すべての名詞に当てはまるわけではなく、ごく一部の名詞に当てはまることですが、愛知医科の入試でも過去に問われました。一緒に確認してみましょう。2017年度の入試ではmeasuresという単語を空所に挿入しなさいという問題が出題されています。

2017年度一般入試

各文章においてそれぞれ下線部分が入るべき最適な位置を⑴〜⑻より選び、その番号をマークしなさい。

 measures

  The 1.9 million people who live in Las Vegas, Nevada, ⑴ have to watch their water ⑵ use. The areas receives just 4 inches of rain per year. Each ⑶ resident uses 165 gallons of water a day, on average. City leaders have put in place tough ⑷ to conserve water. Users pay ⑸ a steep price for it. Homeowners who ⑹ waste water are given large fines. The measures are working. Las Vegas has grown ⑺ by more than 300,000 people since 2002, but it uses less water today than it did ⑻ seven years ago.

 

解答・解説

ここではmeasureは動詞で「〜を測る」という意味があり、Sがついているから単数Sで単数形の主語をとる、と予測できた人、よくできています!しかし残念ながらそれだけの知識では足りないんです。

実は、measuresでは「対策」という意味があります。よって、名詞であると分かれば、文中でSOCのいずれかが欠落している箇所を見つければいいのです。

正解は⑷ですね!知識があって、そしてその上に構文力があれば解ける問題です。

このように、名詞にSがつくだけで意味がガラリと変わってしまうものがいくつか存在するのですが、今回は3つだけ以下に紹介しておきますね。

名詞にSがつくだけで意味がガラリと変わってしまう単語
  • manner(態度、やり方) / manners (作法)
  • work (仕事) / works (作品)
  • air (空気) / airs (気取った態度)  etc.

 

お金を意味する単語

お金と聞いてどんな単語が頭に思い浮かびますか?おそらくみなさんmoneyという単語は出てくるでしょうが、お金にもさまざまな種類があります。

例えば、運賃はfareといって、授業料はfeeといったりします。あるいは請求金額などはcharge罰金なんかはfineで言い表したりします。ちなみに、fineは過去の長文で出てきましたので覚えておきましょうね。

このようにお金を表す単語って思ったよりあるんです!そして愛知医科の入試でも過去にお金を意味する単語が問題として出題されています。特徴は、一見お金っぽくないんだけど、お金の意味ももつ単語です。以下に2つだけ例として挙げておきます。

(1) 2017一般入試

  Despite the theoretically huge market opportunity, there are relatively few start-up companies focused on designing elder-care robots and little venture ( a ) flowing into the field.

空所に入る最も適切なものを1〜6より選び、その番号をマークしなさい。ただし、それぞれの選択肢は1回しか使えない。

 1 capital   2 companionship   3 midair   4 population   5 progress   6 shortage   

(2) 2016推薦入試

  Their aim was a technology that could control the use of film distributed on video, so that the owner of the film might maximize its ( 1. product  2.return  3.size  4.vision ) from the distribution.

 

解答・解説

⑴では「資本」を意味するcapitalが入り、⑵では利益を表すreturnが入ります。returnは「(投資したお金が)返ってくる」ということから「利益」となることは想像つくので理解しやすいのですが、一方capitalは「首都」のイメージが強いので、資本の意味をもっていると想像つかなかった人が多いかもしれません。

 capitalのcapは「頭」という意味をもっていて、「主要・重要」という意味合いももっています。つばがあって、頭にかぶるものを帽子/キャップって言いますね?

また、チームの頭はキャプテン(=captain)と言いますね?首都はその国で頭となる都市、つまり主要都市であるためcapitalと言われます。

ちなみに、県庁所在地なんかはprefectural capitalなどと言ったりします。

よって、資本を理解する際も「頭」を中心として考えると、資本金は出資金と言い換えることができ、何かビジネスを始めるための頭金ともいうことができるでしょう。そう考えるとcapitalが「頭」というコアイメージから派生して「首都」だけでなく、「資本」という意味に派生していくつながりが見えてくると思います。

今後また出題される可能性もないわけではないですから、是非上記の1capitalと2returnを覚えておきましょう!

愛知医科大学対策 【単語・熟語編2】まとめ

以上で語ってきたように、愛知医科ではさまざまな語彙に関する知識がさまざまな設問形式を用いて問われます。今年の受験生の人も、あるいは来年受験する人もこの記事を読んで、語彙に関する見方を改めて、変えてくれたら嬉しいです。

もう一度今使っている単語帳を見直してみましょう。単語帳によっては同義語か単語の下に書いてあるものもありますので、何周か単語帳をやったら同義語や反意語にも目を通してあげてください。

また、ほとんどの単語帳は1つの単語に対していくつかの訳語を載せていると思いますので、他の訳語もチェックしてみることをオススメします。

さらに、頻繁に英英辞書を引いて単語の定義を英語で理解しておくことも対策になると思います。

知識の暗記と定着は根気がいる作業で、時間と工夫が必要になってくるものです。一つ一つを丁寧にしっかりと進めていけるように頑張っていきましょう。

 

愛知医科大学 医学部推薦対策

推薦入試の傾向と対策について記事を書いてみました。今年度受験する人に限らず、来年度受験する人もこの記事をしっかりと読んで対策を立ててみてください。みなさんの合格にこの記事が役立てることを願っています。

愛知医科の推薦入試ではどんな問題が出るの?

愛知医科大学の推薦入試は全部で大問が6題あります。

推薦入試の6つの大問
  • 大問1:文法・語法問題
  • 大問2:語彙定義問題
  • 大問3:空所補充問題
  • 大問4:語句整序問題
  • 大問5:長文読解
  • 大問6:長文読解

 

多いですよね。。大問数は過去で一番の多さであると言えます。今までの推薦入試では大問数が4つ、というのが一般的でしたが、 2017年度の推薦入試から大問が6つに増えています。具体的には大問1の文法・語法問題、そして大問3の空所補充問題が追加された形となっています。

また、2017年度では大問数の増加に加え、出題傾向においても変化が見られます。

大問1と大問3は一般入試でよく出題される問題傾向であり、全体的にだいぶ一般入試と傾向が似てきています。よって、推薦入試の対策としては、難易度における違いは大きくありますが、一般入試の過去問演習が一番適しているといえます。

まずは過去問をといてみて一緒に対策を練ってみましょう。

まだ過去問を解いたことがない人

まだ過去問を解いたことのない人は是非時間を気にせずに解いてみてください。そうすることで愛知医科が求めている英語力とあなたの現在の英語力の間にあるギャップが見えてくると思います。具体的にどういった能力が現時点で足りていて、また足りていないのかを自己分析して書き出して対策を立ててみましょう。

過去問を解いてみてどういった力が自分に足りないのかがわからない場合は、学校の先生に聞いて見たり、あるいは通っている塾・予備校の先生に聞いてみるのが一番だと思います。

もし学校の先生、あるいは塾の先生に時間を計って解くように指示されているのであれば、時間内はシャーペン、時間を超えてしまったら青ペンに変えるなどして工夫してみるといいかもしれませんね。

もう過去問を解いたことがある人は

また、もうすでに過去問を解いたことがあり問題の傾向も把握している場合でもまた解いてみるといいと思います。今度はもっと戦略的に問題に取り組んで見ましょう。

解く前に各大問にどれくらいの時間をかけれるかをプランニングして見ましょう。英語の模試時間は60分で、他の教科(数学・小論文)と同じです。目安としては、大問4までを25分、大問5を10分、大問6を20分で解いてみて、残りの5分で見直しをしてみましょう。

また、解いた後には実際各大問にどれくらい時間をかけてしまったのか、そして何がうまくいって、何がうまくいかなかったのかなどを記録して、具体的に何をどのように改善していく必要があるのかを考えてノートなどに記録しておくといいでしょう。

では、次は各大問の解説をしていきましょう。どういった能力が問われるの?どうやって対策したらいいの?というお話。

大問1 文法・語法問題

過去問研究

和文の意味を表すように、( )に入る最も適切な1語を語群の中のイ〜トよりそれぞれ選び、その記号を書きなさい。ただし、選択肢は1回しか使えない。

⑴ That’s (      ) started doing business with them.

⑵ It suddenly (      ) to me that I was not wearing socks.

語群:イhow  ロ what  ハ which  二 noticed  ホ left  へ reminded  ト occurred

 

解説

⑴はhowが正解で、「that’s how SV:このようにしてSがVする」という関係詞の知識が問われています。

⑵ はoccurredが正解で、It occured to 人 that SVで「SがVするということが〜に思い浮かぶ」という熟語/構文に関する知識が問われています。

問題傾向

大問1では上記の問題で示されているように、文法や語法の知識から熟語の知識に至るまでさまざまな知識力が問われます。印象としては文法力が問われるより、慣用表現・語法・熟語などの知識が問くことに重点が置かれています。特に動詞の語法や前置詞に関する知識を問われることが多い傾向にありますので、動詞の語法は整理して覚えるだけでなく、前置詞は前置詞のコアイメージをしっかりと捉えた上で、派生用法を整理しておくことが必要でしょう。

対策

まずは現在使用している文法・語法の参考書を1冊完璧に終わらせることです。ただ1、2周して満足するのではなく、知識が定着するまでずっと復習し続けてみましょう。

また何周も復習して問題を覚えてしまっている人はが販売されているのでそちらを演習して知識の定着を確認されてもいいかなと思います。

ただ、準拠問題集は学校専売なので、一部の書店では予約をすれば購入することは可能なのですが、解答を手に入れることはできません。そのような場合は、解答だけでも先生にお願いしてコピーしてもらうのもいいかもしれません。

熟語や語法、構文に関しては「英熟語ターゲット1000(旺文社)」からよく出題されているので、こちらを書店で購入し、徹底的に暗記してあげてください。

つけ足しにはなりますが、試験問題は基本的に受験者の⑴知識力を問う問題と⑵思考力を問う問題の2種類が存在します。大問1〜4までは基本的には前者の力を問う問題であるため、その問われている知識力を持っているかどうかがポイントになってきます。

ですから、問われている知識が何であるか分からない場合、その問題はスキップして潔く次の問題に取り組むようにしたいですね。

大問2 語彙定義問題

過去問研究

 英語による記述が指す1語になるように、破線部を補充しなさい。

 ⑴ A child of someone’s uncle or aunt: _ _ _ _ _ n

 ⑵ Very important and needing immediate attention: _ _ _ _ _ 

 

解説

は「’おじ、おばの子ども’は何と言うか?」という問題です。そう、いとこですね。英語に直すとcousinです。意外と簡単な内容だということが分かります。

は「’非常に重要で、急な注意を必要としている’ということを言い換えると何になるか?」という問題で、⑴の問題と比較するとやや難易度が高いですね。⑵の答えは「重要であり、急である」という2つの要素をもつ形容詞を選ばないといけませんので、「緊急な」の意味をもつurgentがそれに当たります。

問題傾向

大問2では語彙に関する知識が問われます。一般的に受験者の語彙力を測る場合、大学は四択問題の形式を用います。一部私大の入試問題のなかには語彙問題が独立しているタイプのものも存在しますが、大半は語彙問題を長文問題のなかに挿入するタイプです。

独立したタイプは英検の第1問などを想像していただければ分かりやすいかと思います。愛知医科では語彙問題が独立したタイプなのですが、英語の定義から語彙を推測させる形式を用いており、ユニークな出題形式だと言えます。

上記の問題を見てもわかるように、cousinなどの小学生レベルの単語からurgentなどの高校生レベルの単語まで幅広い範囲の単語が出題されること、そして名詞だけでなく形容詞などさまざまな品詞の語彙が出題されます。

また、愛知医科の過去数年の語彙問題の傾向を見ると、3つのカテゴリーによく狙われる語彙を分類することができます。語彙学習のなかに発音の要素、またはスペルの要素などを取り入れてしっかりと対策しておきましょう。

語彙問題の3つのカテゴリー

⑴ 発音とスペルが合致しにくいもの:
ph(elephant/physical) 
sci(discipline/unconscious/scissors)

⑵ スペルが迷うもの:scissors/garbage/grammar

⑶ 語彙力が必要なもの:subtle/substitute/fatigue/solitude

 

対策

医学部の入試問題ではよく発音問題が出題されますが、愛知医科も基本的には形式が違っても同じ力を受験者に求めています。なかなか学校の授業では発音記号について習わないので、どうしても受験生が後回しにしてしまう分野ではありますが、単語を覚える際に発音とスペルの関係性に注意を払いながら覚えて見てください。

また、日頃から英英辞典で語彙の定義を確認することや、同義語を整理しておくこと、また接尾辞に関する知識を学習し、接尾辞から品詞を推測できる能力を身につけておくことが大問2の対策になります。

大問3 空所補充問題

過去問研究

問題:下線部分が入るべき最適な位置をイ〜トより選び、その記号を書きなさい。

remained

Newton’s experiments (イ) with light showed that white light passed through a (ロ) prism broke up into a wide color band, called a spectrum. Passed through another prism, the color band became (ハ) white light again. Next he (二) passed a single color through a prism, and it (ホ) unchanged. From this he concluded (へ) that white light is (ト) a mixture of pure colors.

解説

まずremainという動詞に関してみなさんはどういった知識をもっていますか?

自動詞なのでしょうか?それとも他動詞なのでしょうか?

それともそういったことも意識できていないでしょうか?

この問題を解いていく上で、次のような知識をまずもっていなくてはいけません。

⑴remainは自動詞である

⑵自動詞の直後には修飾要素(M)か補語(C)のいずれかが置かれる

ということは、この問題を解法していく上で、まず⑴動詞の欠落を見つけること、そして⑵その欠落のあとに修飾要素か補語がないといけない、ということになります。

なかには「こんな細かくみんな考えてるの?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、推薦入試に合格する生徒はみんなこういった視点をもって問題に取り組んでいます。

構造分析

1文目:Newton’s experiments(S) showed (V)/ white light(S) passed (V)

2文目:The color band (S) became (V)

3文目:Next he(S) passed (V)… and it(S) …*unchanged (C) → Vがない!ここが正解!

4文目:He(S) concluded(V)/ white light(S) is(V)

*なお、unchangedも動詞なのではないか?と思われる人もいると思います。unchangedは「不変の」を意味する形容詞です。動詞であれば、他動詞なので後ろに目的語を必要とするでしょう。

問題傾向

この形式は2017年度から導入された新傾向の問題です。推薦入試で新しい出題傾向と言っても、一般入試では何年も出題されている傾向ですので、一般入試の過去問を参考にしてみるといいと思います。

ここで問われている力はまさに文構造を読み解く力、つまり英文解釈力です。日々しっかりと文型を意識して読めていますか?

といったことにつけ加え、語彙・熟語に関する知識も同時に問われています。動詞や名詞、または前置詞などさまざまな品詞を挿入するように問われるだけでなく、年度によって文を適切な箇所に挿入するように問われたこともありますので過去問の徹底した研究が大切になってきます。

対策

対策は過去問の解説でもお話ししましたように、

⑴語句に関する知識を増やすこと

⑵英文解釈力をつけること

⑴の力をつけるためには過去問をまず演習して見て、下線部が引かれている語句に関する品詞情報を辞書を引いて調べて見ましょう。

また、⑵では現在使用している英文解釈の教材の例文にしっかりと文型をつけて、文型通りに和訳し、そして自分の和訳と解答例を比較し赤ペンで添削する作業をひたすら繰り返しましょう。学校の先生や塾の先生に添削してもらっても構わないと思います。

最近では、文型を意識させずに、スラッシュを入れて前から読み下していくことを奨めている先生も増えているようですが、それは文型を取れるようになって初めて効果が発揮される読み方です。ですので、まずは英文解釈の教材を1つ丁寧に何度も演習して定着させてみましょう。

大問4 語句整序

過去問研究 

和文の意味を表すように、(   )内の語を並び替え、英文を完成させなさい。ただし、選択肢には余分な1語が含まれている。

私たちはそこへ早く着いたが、車を駐車する場所がなかなか見つからなかった。

Though we arrived there early, ( a / a / finding / had / hard / it / place / time / we ) to park our car.

解説

語句整序問題では、まず空所の部分が文中でどのように機能しているかということを考えなくてはいけません。つまり、文中で文の要素(S/V/O/V)として機能しているのか、あるいは修飾要素(M)として機能しているのかを見極める作業が必要になってきます。

Thoughからearlyまでが副詞節なので、空所では主節の内容を組み立てていくということが言えます。よって、空所は主語と動詞からはじめるため、we hadという骨組みができ、そして「have difficulty doing:〜することに困難を抱えている(ここではhad a hard time doing)」というピースが出来上がれば、(Though we arrived there early,) we had a hard time finding a place (to park our car).という答えが作れます。

内容一致問題

[本文]:However, *it’s certainly possible provided you take certain precautions such as waiting until it warms up a bit when it’s colder than minus 40℃. 

*it=running in extreme temperatures

[問題]:以下の記述のうち、本文の内容に合うものを正、合わないものを誤と書きなさい。

 According to the author, taking appropriate measures in advance enables running in very cold temperatures.

問題傾向

大問4では、関係代名詞のwhatや比較などの文法的な知識が問われるだけでなく、all S have to do isなどの構文知識、make sure/turn off/take A for grantedなどの熟語知識が問われる傾向にあり、構文・熟語知識に重点が置かれる傾向にあります。

対策

語句整序が苦手な生徒さんはたくさんいます。文法の四択問題はよく解けるんだけど、語句整序になるとどうやって解法したらいいか分からなくなるという話はよく聞きますが、まずは文法・語法・熟語などの知識を蓄えることが前提で、大問1と同様に現在使用している文法問題集をとにかく繰り返し演習してみてください。

語句整序に特化した問題集はなかなか少ないので、演習しずらいかもしれませんが、山口書店の「+PLUS 英語頻出問題」は語句整序問題も結構多く載っていますし、四択問題もランダムになっているので文法学習の総復習としてオススメです。こちらもやはり学校専売になってしまうので、学校の先生でないと購入は難しいので一度学校の先生に聞いて見てください。

空所補充問題

(あ)と(い)に入る最も適切な1語をイ〜ホより選び、その記号を書きなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えない。

Lisa, whom I went to high school ( あ ), thinks I’m utterly crazy for running in extreme temperatures ( い ) will frost your eyelashes in the blink of an eye.

語群:イ with    ロ in    ハ that    二 if    ホ than

大問5 長文読解A

過去問研究

見出しタイトル
  •  ⑴ 長文の種類:エッセイ
  •  ⑵ 長文テーマ:「ランニングが私に教えてくれたこと」
  •  ⑶ 設問タイプ:A空所補充 B内容一致 
  •  ⑷ 難易度:やや易
  •  ⑸ 語彙数:294

 

解説

内容一致問題

内容一致問題では本文の内容が選択肢でどのように言い換えられているのかを研究することが大切になります。選択肢の文と本文の2文を比較してみると、

⑴taking appropriate measures in advance=take certain precautions、

⑵enables=is possible

⑶running in very cold temperatures=running in extreme temperatures

で完全に言い換えられているのがわかりますね。よって、これは正解になります。

また選択肢が本文の言い換えとなっていない場合はどのように間違っているのかを特定できるようにしておきましょう。

空所補充問題

まず長文を読む上での基本的な姿勢は文構造を正確に捉える力、つまり構文力です。しかも瞬時にそれをやることが大切です。この力を愛知医科では繰り返し問われます。

また、文構造を捉えることは主節と修飾要素に仕分ける作業であるとも言い換えることができます。主節を捉えることができれば、(い)以降が修飾要素であることが分かるでしょう。そうすれば、(い)に入る選択肢が決定します。そう、修飾要素である形容詞節を作れるのは関係代名詞のthatのみ。

また、(あ)では文法力が問われているわけですが、ここで何の選択肢を選ぶかは常日頃からどのように文法学習をしているのかをすべて反映しています。

関係代名詞に関してはいろんな考え方がありますが、ここでは関係代名詞は接続詞であるという考え方を前提として話を進めますね。基本的に接続詞のように「複文は分解して考える」のが基本的姿勢であって、本文も分解して考えてみるだけで分かりやすくなるんです。

Lisa thinks I’m utterly crazy. + I went to high school (   ) her.

後者の文では、形式の観点から名詞の前が空所になっているため必要とされている品詞は前置詞なので、選択肢はイとロに絞られますね。また内容の観点からアプローチしていくと「私は彼女とともに高校へ行った」という内容の文にしたいので、前置詞のwithが最も適切になります。      

このように、文法学習といってもただ単に知識を詰め込むだけでなく、文法の成り立ち、プロセスを理解してそれを応用してあげるだけでだいぶ違ってくるのです。

おそらく、この記事を読んでくれている受験生で一度過去問を演習してみて何となく正解していて、それで満足している人もいると思います。特に長文が読みやすいと自分の英語力を過信してしまいフィーリングに頼った解法に傾いていきます。

しかし、長文のなかで読解力だけでなく、受験生の文法力・語法力などさまざまな能力を測っていきますので、日頃から文法・語法の学習を徹底的に行うだけでなく、長文へのアプローチの仕方も見直せたらいいですね。

問題傾向

設問タイプ

2017年度の大問5の設問タイプはたまたま⑴内容一致と⑵空所補充の2タイプであったわけで、毎年この設問タイプであるとは限りません。

過去数年の長文読解問題を見てみると下線部同義問題や語句整序問題、また下線部説明問題などさまざまなタイプの設問形式を用いて受験者の読解力を試してきます。大問6がそのいい例でしょう。

そして、大切な視点は長文読解と聞くと受験者の読解力だけが問われていると思うかもしれません。その通りで、上記で見たように内容一致問題では受験者の読解力が正確かどうかが測られます。

しかし、それだけではありません。すでにお気づきだと思いますが読解問題でも受験者の文法力や語法力が測られていることが過去問を見てわかりましたね。つまり、大問1から大問4までで問われている力が長文読解問題で総合的に評価されるわけです。

難易度について

長文読解問題を考えるときに、

⑴本文の難易度
⑵設問の難易度

の2つの観点から考えることことができます。

愛知医科の推薦入試を分析すると、前者・後者ともに難易度は「やや易〜標準」であるということができます。

また、医大のなかには入試に医学系などの専門的な内容の長文を出題する大学もあるため、標準レベルの単語につけ加え医学単語の暗記、また背景知識の学習などの対策が必要とされますが、愛知医科の推薦入試ではその傾向は強くありません。

長文も専門性が高くなく、大問5の問題のようにエッセイタイプの長文で比較的読みやすいものが多いでしょう。よって、語彙力があればなんとなく長文の内容が掴めるため、過去問を甘くみてフィーリングに頼った適当な読み方をする生徒もいるけど、そういう生徒はまず火傷を負ってしまうので注意が必要です!

対策

結論から言うと、解法力がすっごい重要です。愛知医科ではここが一番肝心といってもいいかもしれません。

大問5の箇所でも述べましたが、長文読解問題では語彙力から文法、語法、解釈力などの総合的な力が測られます。よって、語彙力がある、文法力がある、解釈力があるってのは当たり前の話で、そういった力がないと長文を読んでいくことはできません。

ただ長文読解には設問もつくので、今度はその設問にどうやって対処したらいいのかということを視点に入れていかないといけないわけです。

解法力は簡単に言うと、なんでその答えを選んだか説明できる力=リーズニングです。現在解いている長文問題集をもう一度解き直して、設問に答えるときにその根拠を自問自答してみましょう。

また、一番手っ取り早いのはプロに解法を教えてもらうこと。受験では時間が限られているし、独学で学習してもなかなか時間がかかってしまいます。なので、学校の先生に聞くなり、予備校の先生に聞くなりして解法力をつけておきましょう。

大問6 長文読解B

 ⑴ 長文の種類:エッセイ

 ⑵ 長文テーマ:「文化間に生じる働くことへの認識の違い」

 ⑶ 設問タイプ:A空所補充 B用法問題 C語句整序 D下線部同義語 E内容一致 

 ⑷ 難易度:標準

用法判別問題

[本文]

And yet I remember being told by a provincial employee that he was opposed.

[問題]

下線部⑴のthatと文法的に同じ用法のthatを含む文をイ〜ホより選び、その記号を書きなさい。

イ He is the student that I gave the book to. 

ロ I want to know about that situation a little more.

ハ I don’t think that he would take such a decision.

ニ It was such a wonderful movie that I saw it five times.

ホ The population of Tokyo is larger than that of New York.

⑸ 語彙数:652

解説

大問5の解説でもすでに述べたが、愛知医科大学の長文問題で受験生の読解力だけが測られるわけではない。語彙力や文法力、語法力など長文を読んでいく上で必要な力がさまざまな設問形式を用いて測られる。

ここでは、大問5では出題されなかった傾向である

用法別問題
下線部同義語

の2つの設問タイプに絞って解説を進めていきたいと思います。

用法判別問題

いままで繰り返して述べてきたが、愛知医科大学の入試では繰り返し生徒の英文解釈力が問われる。この問題を見てみると、thatに下線部が引かれているが、まずthatにはいろんな品詞があることを知っていないと土俵にあがれないのでしっかりと勉強しておこう。

本文の文型をとると、being told ~ opposedまでがrememberの目的語になっていて、その中を確認するとthat節がtellの目的語になっていることがわかる。つまり、このthatは接続詞のthatである。ということは節と節を結んでいるthatを選択肢の中から選べばよいということになる。

接続的働きを果たしているthatはイのthat、ハのthat、ニのthatである。

イは後ろが不完全文になっているので関係代名詞のthatで×

ニは副詞のthatであるため名詞節を作らない

よって、ハが正解になる。

下線部同義語

[本文]

By the mid-90s *these had arrived in the UK. It took me a little while to ⑶put my finger on what the difference was: In Britain, they are used primarily by part goers who don’t want to *conk out at a wild dance party at 3 am. People wanted energy to party, rather than work.

*these=energy drinks, conk out=(疲労・深酒で)眠る

[問題]

下線部⑶に最も近い意味の1語をよりイ〜ホより選び、その記号を書きなさい。

イ deny   ロ prevent   ハ start   ニ touch   ホ understand

下線部同義語問題

put someone’s finger on Aという熟語表現に下線部が引かれており、その表現に似たものを選択肢のなかから選びなさい、という問題である。この表現はCambridge English Dictionaryでは以下のように定義されている。 “To discover the exact reason why a situation is the way it is, especially when something is wrong(特に物事が間違っているときに、なぜそのような状況に陥っているのかの原因を発見すること)” こういった表現はたとえ知らなくても文脈から推測することができるため、その方法だけ知っておきたい。

こういった表現の対処法は

物理的な概念から抽象的な概念へと発展させること

つまり、まずは文字通り「A(物理的なもの)に指を置く=触れる」で理解し、それからAの触れる対象を抽象的なものに変えてみる。

「A(考え/違い)に指をおく=触れる」と考えるだけで、なんとなく言いたい意味がわかってくるだろう。

答えはホのunderstandである。

問題傾向 設問タイプ

A 空所補充問題

このタイプの設問形式は必ず愛知以下の過去問で出題されるのでしっかりと解法を整理して習得しておきたい。空所補充問題には原則2つのタイプがあり、⑴選択肢の品詞が同じもの、あるいは⑵選択肢の品詞が異なるものがある。過去3年分の長文読解の設問形式を確認してみると以下のようになる。

 2017:長文1 選択肢の品詞異なる  長文2 同じ(名詞)

 2016:長文1 同じ(名詞)     長文2 同じ(動詞)

 2015:長文1 同じ(名詞)     長文2 同じ(動詞)

過去3年分を見ても選択肢の品詞が同じである場合が多い。品詞が同じであるということは、ほぼ文脈で判断していくしかないのだが、選択肢が動詞で統一されている場合、文脈と動詞の語法などに注意を払う必要があり、選択肢が名詞で統一されている場合は文脈に合う名詞を選ぶことになる。

なお、名詞の場合は特にさまざまな意味をもつ名詞に注意を払いたい。常日頃から単語のコアイメージを捉え、その派生する意味を整理することが求められる。詳しくは愛知医科語彙対策を参照していただきたい

選択肢が動詞の場合の例

They learned facts about a fictional 40-year-old man ( a ) David.     2015 推薦

( a )に入る最も適当な動詞を下の語群から選び、それぞれの文脈に合う語形にして書きなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えない。

depict    name    remember    throw    undertake

⑵ 選択肢が名詞の場合の例

“Gogatsu-byo”, apparently, is caused when Japanese people are allowed several days off in ( a ) during Golden Week.     2017 推薦

( a )に入る最も適当な1語をイ〜へから選び、その記号を書きなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えない。

イ age    ロ break    ハ dislike    二 preference    ホ succession    へ work

B用法判別問題

今年度初めて出題された設問形式であるため、戸惑った人も多いかもしれない。普段から文を適当に読まずに、THATの用法判別をしながら正確に読めていますか、ということが愛知医科大学から問われている気がする。

また、このタイプの問題はさまざまな用法をもつ語句が狙われることが多い。

例えば、⑴AS、⑵IF、または⑶不定詞などの用法が狙われることが考えられるので日頃の学習の中で各用法の整理と長文で見かけたら用法を判別する習慣を身につけておきたい。

C 語句整序

語句整序では過去数年間の過去問を分析しても、次の3つの文法ポイントが狙われる確率が高いので十分に対策をしておくとよい。

⑴否定語を用いる表現
⑵疑問詞を用いる表現
⑶動詞の語法

 ⑴の例:cannot help but V(2016)/could only do(2015)

 ⑵の例:why SV(2017)/how 形/副 SV(2016)

 ⑶の例:使役動詞のhave(2017)/dream of(2015)

D 下線部同義語

過去3年の過去問を確認すると、毎年出題されている設問形式なので対策が必要である。2015年度の推薦入試ではamputed/chronologyという語句の同義語が問われ、

2016年度の推薦入試ではspeaking to her in another languageと同じ内容の示すものを選ぶ問題が出題され、

2017年度の推薦入試ではput someone’s finger onという熟語表現の同義表現を選ぶ問題が出題された。

このことから2つのことがわかる。

下線部同義語問題で問われるものは必ずしも難易度が高い語彙だけでなく、熟語表現、あるいは文など同義語を問われるものは幅広い。

下線部で引かれている語句の難易度は高いかもしれないが、文脈から推測できるものになっている。

E 内容一致

愛知医科の一般入試では内容一致問題は定番の設問形式である気がするが、実は推薦入試では(過去5年見ただけでも)2016年度から初めて導入された比較的新傾向の設問形式である。

2017年度の内容一致問題は一般入試と同じ形式なので、対策としては一般入試の過去問を何年分か演習し、本文と選択肢を比較してみて「言い換え」なのか「情報のすりかえ」なのかをしっかりと分析しておく必要がある。

多くの生徒は、内容一致問題に取り組む際に、選択肢の内容が本文のどこに書いてあるのかの具体的な根拠をもっておらず、フィーリングで解いてしまう傾向にあるので、常に選択肢の内容が示すものが本文のどの行に書かれているのかを明示化しておくといいでしょう。

問題傾向  難易度

長文は大問5の問題と同じで標準レベルの長文です。文構造が複雑な文も少ないですし、愛知医科大学の長文によく出てくる息の長い文もなく、比較的に読みやすい長文であると言えるでしょう。よって、早い情報処理が求められます。多くても20分くらいで問題を解けると理想的です。

対策

大問5と同じで、語彙や熟語から英文解釈力までの力をしっかりと身につけておくことにつけ加え、解法力を整理して自分のものにすることが一番の対策になります。よって、各設問形式にどのように対応していったらよいのかを1つ1つ整理して、それを応用することで定着させていきましょう。

また、大問6のように文字数が多い長文は下の方まで読み進めると最初の方の内容がなんだったか忘れてしまう人が結構いるので、パラグラフごとにその内容を1言メモをしておくなどの対策をしておくことをオススメします。

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Yoshi
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