VOA Learning Englishの記事から気になる英文を解説していくコーナーです。
今回はシリーズ第12弾です。
この12回はめちゃくちゃいい英文が詰まっています。
▼もくじ
英文&解説
引用元
今日の引用元はこちら
Japan Changes Fukushima Cleanup
福島の原発事故の後処理問題とその計画の変更についての記事です。
語法をチェック!
まずは以下の語法で知らないものがないかチェックしてみましょう。
- plan for X|Xのための計画
- removal of X|Xの除去、Xを除去すること
- aim to V|Vすることを目指す
- in order to V|Vするために
- be unable to V|Vできない
- tons of X|何トンものX
- It is feared that SV|SVが恐れられている(このitはthat SVなので、「[that SV]が恐れられている」とい意味)
- up to X|最大Xまで
- at X rate|Xの割合で
- run out of X|Xが足りなくなる
- by the summer of 2022|2022年の夏までに(期限のbyで暗記)
- proposal to V|Vする(ための)提案
- somewhat radioactive|いくらか放射性がある
- be harmful to X|Xに有害である
- in ~ amount(s)|~の量の
- A is released from B|AはBから放出される
- ⇔ release A from B|AをBから放出する
- have yet to V|まだVしていない
- ≒ be yet to V
- plan to V|Vする計画
- despose of X|Xを処分する、処理する
- waste from X|Xからの廃棄物
- estimate that SV|SVだと見積もる
- grow to X|Xまで増える、増す
- ≒ rise to X, climb to X
- [名詞] surrounding X|Xを囲む[名詞]、X周辺の[名詞]
- suggest that SV|SVだと示唆する(※今回は「提案する」ではない)
- as high as X|Xまで(高いことを示唆)
課題英文
ポイント① presentはけっこう難しい単語です
The fuel rods present a high risk because their storage pools are uncovered.
訳)燃料棒の貯蔵プールが露出しているため、燃料棒はリスクを高めています。
この英文は以下がポイントです。
present a high risk
このpresentはcause「引き起こす」に近いです。
presentは形容詞も複数意味がありますし、なかなか難しい単語です。
複数の辞書をじっくり読み込んでおくといいでしょう。
ポイント② 未来のことをあらわす仮定法
If another major disaster were to cause a loss of water, the fuel rods could melt, releasing radiation.
Google翻訳)別の大きな災害が水の損失を引き起こす場合、燃料棒が溶けて放射線を放出する可能性があります。
以下の形に注目です。
If S were to V ~, S would/could/might V原形 ~.
S would/could/might V原形 ~ if S were to V ~.
これは仮定法と言われるもので、「確率的には低いとは思うがもし今後~が起きたならば」というニュアンスを含んでいます。
ifの中の動詞の形やメインの文章の形が決まっているので、パターンとして覚えておきましょう。
忘れたら辞書や総合英語などの文法書に書いてあるので、その都度参照しましょう。
ポイント③ postponeと相性のいい前置詞は?
Their removal was first planned in 2018. But it has now been postponed for up to 10 years in order to reduce radiation and to clear other waste.
Google翻訳)それらの除去は2018年に最初に計画されました。しかし、放射能を減らし、他の廃棄物を除去するために、最大10年間延期されました。
以下の語法がポイントです。TOEICにも出題されたことがある語法です。
- postpone O for 期間|Oを~の間、延期する
- postpone O till/until 時期|Oを~まで(ずっと)延期する
本文では受動態の形になっています。
能動態:postpone O <for 期間>
受動態:O is postponed <for 期間>
さらに、be動詞(is)が現在完了形(have Vpp)の形になっています。
O is postponed
O has been postponed
ちなみに、in order to Vは「目的」を表し、「Vするために」と訳します。
ポイント④ 過去分詞(Vpp~)の後置修飾
TEPCO has been unable to release 1.2 million tons of water kept in nearly 1,000 tanks at the Fukushima center.
Google翻訳)東京電力は、福島センターで1,000近くのタンクに保管されている120万トンの水を放出することが(現在も)できていません。
この文は、(kept ~)のカタマリが後ろからwaterを説明している点です。
1.2 million tons of water {kept <in nearly 1,000 tanks (at the Fukushima center)>}.
直訳:120万トンの水・それは福島センターで1,000近くのタンクに保管されている
訳:{福島センターで1,000近くのタンクに保管されている}120万トンの水
このkeptは過去分詞で、名詞を修飾することができます。
つまり、keptは形容詞のカタマリです。
ポイント⑤ このbutはなんだ!?
TEPCO says further treatment can remove all but radioactive tritium to levels acceptable for release.
Google翻訳)東京電力は、さらに処理すれば、放射性トリチウム以外のすべてを放出可能なレベルまで除去できると述べています。
以下のように、all の後ろからbut~のカタマリがくっついています。
all (← but radioactive tritium)
直訳:全て・放射性トリチウム以外の
訳:放射性トリチウム以外の全て
このbutは前置詞で「~以外の」という意味です。
上の英文のbutの後ろには名詞が来ていますね。
この前置詞のbutの後ろには名詞以外も来ることがあるので、辞書で確認しておくといいでしょう。
英文の構造は以下です。
S says [(that) S’V’O’M’].
TEPCO (S) says (V)
[further treatment (S’)
can remove (V’)
all (but radioactive tritium) (O’)
<to levels (acceptable for release)>. (M’) ] (O)
また、以下のtoにも注目です。
remove A to B
これは範囲・限界のtoと言われています。
AをBまで除去できる。
という意味です。
本文では、
A(放射性トリチウム以外のすべて)をB(放出可能なレベル)まで除去できる
となっています。
範囲・限界のtoについては例文を付けておきます。
Prices have risen to its highest level in 10 years.
物価は10年間で最高の水準まで上がっている。
rise to Xで|Xまで上がる
となっています。
ポイント⑥ 名詞構文
The biggest difficulty for Japan is the removal of an estimated 880 tons of melted fuel from Fukushima’s three severely damaged reactors.
Google翻訳)日本にとって最大の困難は、福島の3つの深刻な損傷を受けた原子炉から推定880トンの溶融燃料を除去することです。
今回のポイントは名詞構文というものです。
読んでいて以下に気付いたでしょうか。
remove A from B|AをBから取り除く
⇅
removal of A from B|AをBから取り除くこと
removalは動詞の形を引き継いで、同じ前置詞のfromを使っています。
こういった名詞化した部分が読めると、難しい文章も読みやすくなります。
大学受験などは名詞構文のオンパレードなので、慣れておいてください。
ポイント⑦ suggestの誤訳に注意
The Japan Center for Economic Research, however, suggests that the cost of clean-up for the nuclear plant alone could be as high as $470 billion.
Google翻訳)しかし、日本経済研究センターは、原子力発電所の清掃費用だけでも4,700億ドルに達する可能性があることを示唆しています。
suggestは「提案する」という意味の場合、suggestの後ろに来るthat内は以下のような形になります。
suggest that S should V原形
suggest that S V原形
しかし、今回はthat節内はcouldが使われています。
Googleもこの点はしっかりと把握していて「示唆する」に訳がなっています。
気付かなかった人はぜひ覚えておきましょう。
今回はこれくらいにしておきます。
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