今回は、アメリカの新聞『ニューヨークタイムズ』の東京支局の記者をされている上乃久子さんの純ジャパニーズの迷わない英語勉強法 (実用外国語)です。
▼もくじ
他の英語勉強法はこちら
その前に、他の英語勉強法のレビューはこちらをご参考ください。
①『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』レビュー
③『大学入試世界一わかりやすい英語の勉強法』レビュー
純ジャパニーズの迷わない英語勉強法 (実用外国語)
さて、今回ご紹介するのは、英語が苦手な日本人が大多数の中、英語を使いこなして仕事をしている日本人の一人、上之久子さんの本です。
どんな人におすすめか
・留学をせずに英語をマスターしたい人
・間違った勉強法で勉強をしたくない人
・スピーキング・ライティングを得意にしたい人
・英語を総合的に得意にしたい人
数ヶ月で英語はできるようにならない
シンプルな会話であれば、数ヶ月で可能だとは思いますが、複雑な会話や難しい英文を読解しようなどと思うと、ものすごい時間がかかってしまいます。
さらに、日本語と同じようなレベルで英語を使えるようにしようと思うと、相当な努力が必要です。
例えば単語だけでも、2136字覚えないといけず、2352単語の音読み・2036単語の訓読みを覚えないといけません。
日本語の場合は、上記くらい覚えれば新聞を読んだりニュースを聞いたりすることは可能になります。
著者である上之さんは、その相当な努力をされた数少ない日本人の一人でしょう。
スピーキングは思っているよりも簡単
上之さんは、スピーキングの学習法から紹介されています。
それにしても、日本人は本当に英語を話せる人が少ないですよね。
個人的にはスピーキングが一番簡単だと思っています。
私自身は、二十代後半まで全く英語を話せませんでした。
社会人になってから英語を話せない聞けないのは恥ずかしいと思って勉強を始めたのですが、今考えてみるとリーディングやライティングよりも遥かにスピーキングの方が簡単だと思っています。
リーディングとライティングは訓練が必要
リーディングとライティングは表裏一体です。
リーディングというのは書いた文章ではないですか。
ということは書く人がいますよね。
文章を書く側からすると文章というのはライティングです。
その書いた文章を読むのがリーディングです。
同じような文章を書けるのであれば、そのレベルの文章は読めるでしょう。
でも、みんながみんな小説が書き下すような文章を書けませんよね。
つまり「書く」ということは、技術がいるんですね。
で、書くのが大変な文章を読むのも、もちろん大変です。
大学受験やTOEIC、英検、TOEFL、IELTS などなど、資格試験をクリアするにもかなりの読解力が必要です。
文法も難しい単語も難しい構造も難しいです。
だから皆さん、文法問題を解きまくったり、難しい単語集をやったり、英文解釈をしたりするんですよね。
つまり難しい文章を読むためには色々としないといけないですよね。
なので皆さん時間は足りない足りないと言うわけです。
話すためには単語も文法も簡単
話すための英文法も英単語もめちゃくちゃ簡単です。
レベルで言うと中2ぐらいまでの英文法のレベルが分かれば、ある程度の英会話は問題なくこなすことができると思います。
英単語に関しても市販の英単語カードを一冊を覚えてしまえば終わりです。
おすすめは以下の英単語カードです。
中学英単語 (ディズニー暗記カード)スピーキングに関しては逆にたくさんの単語を覚えないように、覚えた単語をいかに活用するかを考えた方がいいと思います。
どうしても必要な場合を除いて、無理に使わない英単語を覚える必要は一切ありません。
使わないというのは「自分で話すときに使えない単語」のことです。
スピーキングに関しては使えない単語は覚える意味が全くありません。
時間の無駄でしかない。
ガンガン省エネで行きましょう。
ただし何点か注意点があります。
英単語を覚える時は品詞を覚えましょう
英文を組み立てる時に、ある程度品詞の知識が必要になるので、単語の品詞はしっかりと覚えておきましょう。
例えば、longという単語は、名詞、形容詞、副詞、動詞と色々あります。
形容詞:a long coat. 長いコート
名詞:I don’t have long to live. 私はもう先が長くない。
副詞:Have you been waiting long? ずっと待ちましたか?
このような文章を作るときは、単語の品詞を覚えておくと、一つの単語で色々な事を表現できるようになります。
文法書の例文を活用する
話す時の英文の型を学ぶには、ある程度は英文法を学ばなければいけません。
中学2年生ぐらいまでの英文法は、頑張って勉強しましょう。
目的を明確にしておく必要があります。
話すために英文法を学ぶので、
ですので、英文法書で出会う例文は、「ポイントを理解し、それを訳せるようにしたら終わり」ではなく、それらの例文の単語を入れ替えて使えるようにしましょう。
実際に使える表現でないと意味がない
例えば、「私は~です」を学んだとします。
I am ~.
です。
もし学生なら、
I am a student.「私は学生です」
という英文になります。
自己紹介の時に間違いなく使うでしょう。
I am a doctor.「私は医者です」
という英文は、お医者さん以外使えませんよね。
「医者になりたかった」とか、
「医者が必要だ」とか、
そういう場面では”a doctor”という単語は必要になるかもしれません。
しかし、”I’m a doctor”を練習しても使うことはおそらくないでしょう。
ですので使えるフレーズを蓄積したいので、習った英文法は単語を入れ替えて自分専用の例文集を作った方がいいと言えるでしょう。
例文集を作るのが面倒な人
瞬間英作文などの本を買ってひたすらパターンプラクティスをするのが手っ取り早いと思います。
面倒な場合は市販の参考書を買ってしまうのが一番早いです。
ただし、日常で使うようなフレーズが詰まっているわけではないので、日常に近いフレーズをたくさん含んでいる本を買うのが得策と言えるかもしれません。
でも、この方法は覚えるべき単語の量を増やしてしまうということになるので、自分の首を絞めることになります。
言語というのは通常はまず、自分が使うであろう頻出の単語を覚える方が効率的です。
そうじゃないと無限に単語を覚えるハメになってしまうからです。
リスニングが一番難しい
私自身は、フィリピンに住んだり、 アメリカに住んでみたり、海外での生活も経験しましたが、やはり生活する上で一番困ったのは「リスニング」です。
何が困るかと言うと、さっきのスピーキングと違って、スピーキングというのは『自分の言いたいことを伝える』というゴールが決まっています。
しかし、スイングが常に相手のレベルに合わせないといけません。
例えば、もしアメリカに住んでいてニュース番組を見たとしましょう。
アメリカの経済政策についての議論なんてのは、アメリカのニュース番組ではよくある光景です。
もちろん、日本のテレビ番組でもそのようなコーナーがあるでしょう。
経済関連の仕事をしている人にとっては、経済の話はもちろん簡単でしょう。
しかし、経済に疎い人は、日本語で経済の話を聞いても結構わからないことがあるのではないでしょうか。
それを英語で、となると、苦行でしかありません。
単語もたくさん覚えないといけませんし、難しい文法を使う経済学者もいるかもしれません。
英語で一番難しいのは間違いなくリスニングだと思うのですが、これは上記のような理由からです。
相手が手加減をしてくれるのであれば簡単に聞ける時もあるのですが、場面によって家までがわからないようなこともあるわけです。
日本語でもそうなのですから英語をなんてのは・・・ですよね。
リスニングを伸ばすにはシャドーイング
上之さんも「純ジャパニーズの迷わない英語勉強法」の中でシャドーイングおすすめてしています。
私自身は英語勉強してきてあまりリスニングを強化することをしていきませんでした。なぜかと言うと眠くなるからです。
元々読書が好きだったので、単語と英文法をやって、英文解釈を勉強し、後はひたすら文章を読むような感じです。
よくある大学受験の勉強方法ですね。
自分は渡米した際はリスニングでかなり苦労しました。
最初の1か月くらいは「これでは生きていけない」と思って、NetflixをICレコーダーで録音して、聴けなかったら数秒巻き戻しってのをひたすら1日10時間くらい1~2か月くらいやってました。
結論、ひたすらシャドーイングすべし。
— Bryce (@YSK_NMR) May 28, 2018
そうやってリスニングをサボってきたため、相対的にリスニングはあまり得意ではありません。
と言ってもアメリカで生活していたので、難しい学問的なこと以外はだいたいわかります。
相手が超早口でまくしたてるようなことがなければ、日常生活で困るようなことはあまりありません。
でも、やはり細かい部分が聞けないことが結構ありました。
ずっと悩んでいたのですが、シャドーイングを始めて解決しました。
断言しますが、リスニングには絶対にシャドーイングを行った方がいいです。
なんなら、単語と基本的な文法を覚えたら、後はひたすらシャドーイングをした方が良いのではないかと思っているぐらいです。
それぐらい効果を実感していますし、やってこなかったことを後悔しています。
シャドーイングについてはかなり詳しく書いた記事があるので、ぜひ参考にしてみてください^^
少し話せるようになったらオンライン英会話に挑戦
『ドラゴンイングリッシュ』を覚えているでしょうか。
あの中で、英語を伸ばしたいならフィリピンパブに行けと書かれていたと思います。
私はまさにそれを実践して英語を話せるようになりました。
と言っても当時はもちろんそんなにペラペラではないのですが、個人的な意見かもしれませんが、フィリピン人に話す方が、ネイティブスピーカーにとすよりも全然緊張しないですよ。
あと、フィリピンパブというところは、その時に初めて通い始めたのですが、多少なりともお酒を飲む必要がありますよね。
お酒を飲むと英語がペラペラでてくるななんていう記事はたくさんインターネットには載っています。
私は肯定派で確かにお酒を飲むと英語が結構スラスラ出てくる気がします。
たぶん、恥ずかしいとかという思いが少し減るんだと思います。
ちなみに、フィリピンパブは男性も女性も行けるところです。
普通に良いお酒が大好きな女性なら行ってもいいと思います。
女性の方がたぶんたくさんお金を使わされることもありません。
男性はは少しお金がかかるので頑張ってください(笑)
フィリピンパブで英語を伸ばすコツですが、勤続年数が長い人たちは日本語が結構話すことができるので英語の勉強になりません。
どうやって日本語を習ったのか聞くと、たいてい日本人男性と付き合ったことがあると言っていました。
私にとっては、完全に英語目当てなので、そんな日本語ペラペラのフィリピン人女性は一切興味がありません。
なので、新人さんのいるお店を探して、かつ、英語ができる人を探して週に1度ぐらい通いました。
1時間3000円で飲み放題とかそんな感じだと思います。
どうでもいい飲み会に2~3時間居るだけでも、5000円とか、高い時は1万円ぐらいかかるじゃないですか。
でも1時間飲み放題で3000円とか安くないですか。
と言ってもご飯食べたいとか言ってくるので、1時間5000円ぐらいにはなるのですが。
英会話に1時間入ってネイティブスピーカーと話すとしたら、自分で買った水で、50分ぐらいでだいたい1万円ぐらい取られます。
それよりかは、はるかに効果的なんじゃないかなと、今でも思っています。
ちなみに、ドラゴンイングリッシュの中に出てきた英語の先生のモデルは、駿台の竹岡広信先生と言われていますよね。
オンライン英会話でさらに磨く
実践の訓練は、私のようにフィリピンパブに行くのもいいと思いますし、普通の英会話に行くのもいいと思いますし、外国人が集まるようなバーに行って話しかけるのもいいと思います。
バーでの英語はめちゃくちゃ難しいですね。
ほとんどが大きな音で音楽が流れているので、雑音がある中で英語を聞かないといけないので、かなりハードルが高いです。
アメリカに行った時はそんなような状況がめちゃくちゃなったので、かなり鍛えられました。
さて話戻って、日本でスピーキングを伸ばそうとすると、英会話もフィリピンパブもめちゃくちゃお金がかかってしまいます。
やはりオンライン英会話を使うのが一番得策だと言います。
オンライン英会話のおすすめはネイティブキャンプ
ネイティブキャンプ
これは信じられないかもしれないですが月額定額で、受け放題なんですよ。
私も今でも使っています。
まずは自己紹介をできるようにしましょう。
その後に自分の人生を語られるようにしましょう。
さらに、自分の好きなことや趣味を語れるようにしましょう。
そして、日本についてある程度説明できるようにしてください。
これぐらいができるようになったら、デイリーニュースを使って、自分が言語話せるようになりたいトピックを選んで、同じトピックで何度も違う先生と訓練しましょう。
たくさんのトピックを選ぶのではなくて、一つのトピックでスラスラと会話ができるようになったら、初めて次のトピックに写るのがベストです。
自分の興味がないとトピックを話す必要は全くありません。
日本語でも興味のないトピックを話すことはほとんどないと思いますから、自分の興味のあるトピックとの選んで行って大丈夫です。
英語を聴くだけでは伸びない
上之さんも『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』でおっしゃっていますが、これ私も本当に賛成です。
私自身は先ほども書いた通り、シャドーイングを断然オススメするのですが、本気で英語を極めたい人は上之さんが書いている方法も効果的だと思います。
スペルミスが多い人後は一石二鳥ではないかなと思います。
上之さんがおすすめする方法の理由ややり方が書かれているので、是非参考にしてみてください。
また、上之さんのおすすめリスニング教材はとても参考になります。
私も紹介されていた本をひとつ買ってみました。
これは盲点だった。
英語を楽しく勉強する教材が紹介されているので、ナイスです。
動画で学ぶ
YouTube などのインターネット動画も同時に紹介されていますが、プロならではの視点でおすすめのサイトが紹介されているので、通訳などを目指す方には必見ではないでしょうか。
リスニングを聴けるようになるのか
リスニングは訓練すれば聞けるようになります。
上之さんも粘り強く訓練し続けることで英語を聞けるようになると言っています。
私はTOEICのリスニングが満点の状態で渡米しましたが、リスニングに関しては一番困りました。
TOEICのリスニングがほぼ全く役に立たないという気分になりました。
それぐらいリスニングに関してはスピードの差があります。
アメリカに行く前に私はフィリピンにトータルで2年ぐらいいたのですが、これもまたは全く役に立たなかったと言っていいと思います。
もちろんTOEIC もフィリピン留学も単語や表現を覚える上では100%お役に立たなかったわけではないのですが、スピードに関しては全く役に立たない。
ツイートもこんな感じでしています。
リスニングに関しては、
TOEICやフィリピン留学 vs アメリカの大学生の早口英語
を
自転車 vs F1
くらいの違いだと説明してます。ま、そんなに速くないですが、体感です笑
TOEICとかで勉強している人は、TOEICに慣れてきたら、次はネイティブ英語でシャドーイングするのをオススメしてます。
— Bryce (@YSK_NMR) May 28, 2018
リスニングは相当努力しないとなかなか上達しません。
それでも聴けるようにはなります。
私も完璧ではないですがテレビも大体英語だけで分かるようになりましたし、ドラマや映画のようなセリフがこったものでなければ、会話にはだいたいついて行くことができます。
日常であまり使わないような表現というのはやはり耳には入ってきませんね。
例えば、 たまにしか行かない床屋さんや美容院だと、私のような外国人に慣れていないアメリカ人のスタッフの人は、手加減なしでガンガン英語を話してきます。
ところが、どのように髪の毛を切ってもらいたいのかだなんてのは、映画やドラマでもあまり出てこないと思うんですよね。
なので、美容室や床屋で使うような表現だなんてのは全然慣れていないんですよ。
出会ったことのない状況での英語というのはスラスラと話せませんし、自分がスラスラと話せない英語というのは、やはり聞いてもずっと頭には入ってきません。
美容室とかでは何度も英語を聴き直した覚えがあります。
もちろん住んでいたら慣れるんでしょうけどね。
リスニングには文法も大切
上之さんもの『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』の中でおっしゃっていますが、リスニング力を向上させるには、英文法の知識もとても大切です。
これは先日書いた記事で紹介した、斉藤先生も同じようなことを書いています。
なので文法は泥臭くガッチリやっておいたほうがいいと思います。
ここまで書いてわかったと思いますが、スピーキングとリスニングのレベルの差がかなりあるんですよね。
モチベーションをキープするには、まずはスピーキングに専念するというのはひとつの良い戦略だと思っています。
英語があまり聴けなくても、ペラペラだったらモチベーションはキープできるはずだと思うんですよ。
だって、英語がペラペラの人ってかなり少ない部類ですから、喋れるだけでかっこいいっていう感じしませんか?
なので、ある程度話せるようになったら、リスニングを強化するために単語を覚えたりとか文法覚えたりとか、そこからは泥臭くコツコツコツコツ積み上げていく作業に入るわけです。
いいと思いませんか?
てことで、英語勉強法. JP ではまずは簡単な単語と文法をサクッとやって、とにかくひたすらスピーキングをできるようにして、自分が話せるレベルのものは聞けるわけですから、オンライン英会話とかだと会話は成り立つはずです。
そのオンライン英会話レベルの簡単なレベルを合わせてもらう会話から、ネイティブと対等にやり合えるぐらいのレベルの英語を目指す。
やりましょうよ、みなさん。
ってことで、
を読みながらつらつらと英語の学習法と勉強法について書いてみました。