こんにちは!
新年がスタートし、気持ちを新たに英語学習に励もうと考えている方もいらっしゃることでしょう。
とはいっても、まだまだお正月気分の抜けないこの時期。
まずは肩慣らしに、今回はちょっといつもと違う観点から行う英語学習をご紹介してみたいと思います。
みなさんは、日本語の早口言葉は得意ですか?「生麦生米生卵」「赤巻紙青巻紙黄巻紙」など、幼いころに何度も練習したことがあるのではないでしょうか。
実は英語にもこういった早口言葉があります。
ただでさえ難しい英語の発音で早口言葉なんて、ちょっとハードルの高い感じがするかもしれませんが、遊び感覚でチャレンジしてみましょう!
▼もくじ
Peter Piper picked a peck of pickled peppers.
Peter Piper picked a peck of pickled peppers.
ピーター・パイパーはたくさんの唐辛子の漬物を拾った。
文章の意味を見ると「こんな文章ある?」という感じですが、日本語の早口言葉もだいたいそんなものですよね。
この1文は、英語のマザーグース(童謡)「ピーター・パイパー」の中の文章で、本当はこの後ろにもさらに歌詞が続いています。
このマザーグース自体が早口言葉の練習のために生み出されたものなのだそうで、やはり欧米の子供たちも早口言葉で遊びながら言葉を覚えているんですね!
唇をパっと破裂させる”p”の発音を練習するのにぴったりの早口言葉です。
無理やり読み仮名を振るとすれば「ピーターパイパー ピックダ ペッコブ ピコゥド ペッパーズ」といった感じになります。
”p”の部分にアクセントを置いてリズムよく発音しましょう。
・pick:ひろう、つまむ
・peck of:たくさん
・pickle:塩に漬ける
※”pickled”で形容詞「塩漬けの」という意味になる
Can you can a can as a canner can can a can?
Can you can a can as a canner can can a can?
あなたは缶詰業者が缶を缶詰めできるように缶を缶詰めできますか?
文章の字面を見ただけで頭が痛くなりそうですね!ただ、英語特有の発音はほとんど出てこないので「キャン」さえ正しく言えれば誰でもできる早口言葉です。
「キャニュー キャナ キャンナザ キャナー キャン キャナキャン?」
という感じになりますね。「~できる」という意味の助動詞”can”と「缶詰」を表す名詞”can”を引っかけて作られた文章です。
より英語らしく聞こえさせたければ、”canner”の”r”の発音にまで気を配れるとベターです。
She sells sea shells by the seashore.
She sells sea shells by the seashore.
彼女は海岸で貝殻を売っています。
これは日本人の不得意な”s”と”sh”の発音の違いを勉強するのにぴったりの早口言葉です。
”s”は無声音で「スー」と発音すればいいので、”sells(セルズ)””sea(スィー)”でOKなのですが、問題は”sh”です。
ろうそくを消す時のように息を集めて出すのですが、このときタコのように口を尖らせます。
”s”よりも「シー!」と大きな音が出るはずです。
”She”と”sea”にアクセントを置くような感じで発音するとリズミカルに発音できます。
The rain in Spain stays mainly in the plain.
The rain in Spain stays mainly in the plain.
スペインの雨は主に平野に降る。
この文章に見覚えがある方はいらっしゃいませんか?
オードリー・ヘプバーン主演の映画「マイ・フェア・レディ」で何度も登場した早口言葉です。
この映画は、下町生まれの粗野で貧しい花売り娘イライザと言語学者ヒギンズ教授がひょんなことから出会い、彼の手によって正しい話し方や所作を身に着け貴婦人となっていくイライザの成長と2人のロマンスを描いた名作です。
この早口言葉は、イライザがコックニー訛り(イギリスの下町訛り)を矯正するために練習の題材として使われます。
実は、コックニー訛りでは「エイ」と発音すべきところを「アイ」と発音する訛りがあるので、上の文章を読むと以下のようになってしまうのです。
正しい発音「ザ レイン インスペイン ステイズ メインリー インザ プレイン」
コックニー訛り「ザ ライン インスパイン スタイズ マインリー インザ プライン」
涙目でこの文章を何度も読まされるオードリーが、かわいそうだけどとってもキュートなんですよね。
日本人で「エイ」の発音ができない人はあまりいないかと思いますが、このコックニー訛りはオーストラリアの一部地方でも見受けられる発音の傾向であり、正しい発音を身に着けさせるためにこういった早口言葉が生み出されたのかもしれませんね。
The tip of the tongue, the teeth, the lips.
The tip of the tongue, the teeth, the lips.
(舌の先、歯、唇)
これはちょっと発音が難しいです!
短い文章ですので、どんどんスピードを上げて発音してみましょう。
日本人の苦手な”t””ng””th”の発音がもれなく入った難易度高めな早口言葉です。
”of”と”the”はごく軽く発音するだけで、それ以外の単語にアクセントを置きましょう。
”tongue(舌)”は「タン」と発音しますが、この「ン」の発音がうまくできない方が多いです。
口を開けたまま「ンー」と言えますか?舌の付け根を上あごに近づけるようにするとできると思います。
ちなみに、この早口言葉は映画でもよく登場します。
・ジェニファー・アニストン主演「嘘つきは結婚のはじまり」
職場の同僚である主人公二人が、ある食事会で夫婦のフリをしなくてはならないことに。
女性側には子供がいたため、子供までそのお芝居に巻き込まれることとなるが、車から会場に向かうときにその子供が「さあお芝居が始まるわよ。軽くウォームアップする?」と言ってこの早口言葉を口にする。
・ジャック・ブラック主演「スクール・オブ・ロック」
自分の生徒に「俺様の作った曲を課題曲にしてバンドの練習をするぞ!コンクールで入賞すれば受験にもパスできる!」と思い付きで言い始めた主人公の男性教師。
特進クラスの生徒達の冷ややかな疑いの視線が集まる中、ある生徒から「どんな曲?聞かせてよ。」と言われて作ってもいない曲を即興で披露することに。
ギターを片手に落ち着かない様子でこの早口言葉をつぶやく。
上の二つの例から、本番を控えて緊張しているときにウォームアップで口にする早口言葉なのであろうと推測できますね。
このほかにも映画やドラマのいろいろな場面で登場しますので、見つけてみてくださいね!
英語の早口言葉で楽しく発音練習しよう♪
英語の早口言葉をご紹介してまいりました。
みなさんはすべて発音できたでしょうか?
日本でも、始めはたどたどしくしか話せなかった子供が割とスラスラ話せるようになってきたころに、周りの大人から「これは言えるかな?」といって早口言葉を教わりますよね。
この文化は欧米でも同じで、正しくスムーズな発音を身に着けさせるために早口言葉が使われているようです。
ちなみに、はじめにご紹介した「ピーター・パイパー」のマザーグースは、ABC順に各アルファベットの発音練習のためのマザーグースが収録されている本の、”P”の項に載っているんだそうですよ♪
また、日本でもアナウンサーの方の発声練習で早口言葉が使われているようですが、アメリカでも大勢の人の前で話す前のウォームアップで早口言葉を口にしているんですね。
みなさんも、勉強の息抜きに楽しく早口言葉を学びながら、発音の練習をしてみてくださいね!!