というお悩みを解決できる本のご紹介です。
以下の3つが特徴です。
- 名翻訳家の行方昭夫先生が書いている
- サマセット・モームの傑作短編 Red『赤毛』を全て通して読める
- 江川泰一郎の「英文法解説」の例文が解説に使われている
こんなに凄い条件の本を私は他に知りません・・・。
精読が好きな人には、超おすすめの一冊です。
ちなみに、おすすめはたくさんあっても、「超」おすすめというのはなかなかありません。
本の概要
「東大名誉教授と名作・モームの『赤毛』を読む 英文精読術」
DHCから出た1冊です。
244ページと全訳33ページ。
計277ページの本です。
東京大学名誉教授の行方昭夫先生のシリーズもの。
「赤毛」は名前だけでも聞いたことはあるのではないでしょうか。
レイアウトがGood
このDHCのモームのシリーズですが、3部作です。
なぜこの本をおすすめするかというと、レイアウトが他の2冊よりも使いやすいからです。
ザックリ言うと速単形式のような感じです。
左に英文、右に和訳。
速単と違って素晴らしいのは、行方先生の物凄い量の解説です。
新書などの文庫サイズと違い、普通の学参と同じA5なので紙面に余裕がある分、解説もとても詳しい。
章の冒頭に全文
文章は小分けに解説されていきます。
最初にその章で解説する英文の全文があります。
例えば、1~3段落毎とかですね。
そのあとに、左に英文、右に和訳です。
試訳と決定訳が2つ載っている
これがとても勉強になります。
まずはざっくりと直訳調に訳した試訳。
日本語的に通じない部分などを直した決定訳。
原文から離れ過ぎず、ちょうど良い決定訳となっているようです。
章末にまとめの解説
本文、試訳、決定訳と味わったあとに、章末に解説がかなり詳しく書かれています。
文法的な解説もしっかりとされているので、単なる翻訳だけの本ではありません。
曖昧な解説で終わらず、ちゃんとした勉強ができる本です。
詰まるところ、このレベルの物を読むのに、英文法の知識なしに解説する人というのは超少数派なのだと思います。
江川泰一郎の「英文法解説」の例文が引用されている
この本の解説部分には、江川泰一郎の「英文法解説」の例文が引用されています。
例文にこだわりにこだわったと言われている「英文法解説」の例文を読むこともできてしまうということです。
一挙両得という感じです。
行方先生と江川先生は親交があったようで、エピソードが書かれていました。
巻末に全訳がまとまって掲載されています。
各章で精読していった和訳が、最後に全て掲載されています。
精読が終わったら、行方先生の「赤毛」の全訳をまとめて読んでみるといいと思います。
いやはや、素晴らしい本というのはあるのですね。
私はこの本で勉強し直しているところです^^
東大名誉教授と名作・モームの『赤毛』を読む 英文精読術