という方に1冊ご紹介する記事です。
「解釈につよくなるための英文50」という本です。
文庫サイズなので持ち運びに便利です。
岩波ジュニア新書から出ていて、内容を考えると820円と激安です。
ジュニアの内容ではないですけどね・・・。
Twitterでオススメしている大学の先生がいらしたので、レビューしてみました。
概して高難度のため、受験生にはハードルが高いですが、あえて挙げるなら、岩波ジュニア新書の『解釈に強くなるための英文50』でしょうか。 #peing #質問箱 https://t.co/G8JanpuZBd
— MR. BIG (@Kazuma_Kitamura) September 11, 2018
この北村先生という方、要フォローです。
ってか、北村先生、英文解釈の本をガンガン出してくれませんか。。。
こういう神様みたいなレベルの大学の先生が、どんどん英文解釈の教材を出してくれたらなぁと切に思います。
▼もくじ
普通の英文解釈の本を何冊か読んだら挑戦できる本
さて、本題に戻りまして、こちらの本は、
- 高校生用の総合英語程度なら、ちゃんと頭に入っている
- 大学受験用の英文解釈の有名な本を2~3冊は終えている(英文熟考上下とか英文読解の透視図とか)
- 大学受験レベルの単語はしっかりと身についている
という方におすすめの本です。
この本が目指すゴールはちょうど良いと思います。
「大学の先生が書いた」と言われると堅いイメージがありますよね。
古い本が売られているイメージもあるので、ふつうは避けがちかもしれませんが、この本は、なんと2012年に出版されている比較的新しい本です。
ここに書かれている英文を他人に説明できるぐらいにすると
「TimeやNewsweekが読めるようになる」
と書かれているので、上級者の入り口にたどり着くにはこのレベルの英文を目標とすると良いのではないでしょうか。
東京大学の名誉教授で、有名な翻訳者である行方昭夫氏が選んだ良質の英文を繰り返し繰り返し読みたいという人には、お薦めしておきたい1冊です。
行方教授のエピソードとして、数学の薄い本を繰り返し勉強したということが書かれていました。試験の結果は上々。
この本もコンセプトは同じようです。
何度も何度も繰り返し読むのに適している良質な文章を行方教授自身が選び抜いたのですから、英語を極めたいと思ってる人にはそそられる内容ではないでしょうか。
英文の語数はそれぞれ大体100文字程度です。
その100文字程度の英文が50個あり、1つの英文につき3~4ページの中に生徒と行方先生のやり取りを軸に解説が進んでいきます。
難易度はどうか
行方先生がこの本の中で書かれていますが、難易度順に英文が並べられていますが、その差はわずかとのことなので、好きな文章から読み始めても良いそうです。
初っ端の文章から名詞構文を理解してないと読めない文章が出てきます。
構造解説は自分でできるレベルでないと使いこなせないと思と思いますので、構造の解説がないと理解できない文がある人はやめておきましょう。
例えば、1番目の文章の1文目は以下のように始まっています。
Just as the destruction by fire of his papers was complete,
この文章は以下のように見えたでしょうか?
Fire destroyed his papers (SVO).
名詞構文が理解できていないと、直訳では理解できないかもしれません。
学習参考書でいうと、名詞構文は英文熟考(下)のレベルです。
最初の一題から結構難しいので、一般の学習参考書で特にやるものが無くなった人には良いのかもしれません。
また、英文和訳でどの程度意訳をして良いのかという点で悩んでいる方にはとても良い本です。
大学受験の難し過ぎる和訳問題は大学教授でも解けない?
あとがきに書かれていますが、行方先生は難し過ぎる入試問題を出すことは反対だそうです。
私も大学受験生を教えているのですが、
と思うことさえあります。
そういった英文はこの本には選ばれていないようです。
先ほども書きましたが、行方先生がこの本で示してくれているレベルというのは、NewsweekやTimeなどといった高級週刊誌を英語ネイティブと同様に味わえるレベルだそうです。
難解過ぎないけども、骨のある良質な英文が載っているということでしょう。
私は英文解釈が大好きなのでこの本を読み通してみたのですが、何度も何度も繰り返し読みたい内容でした。
英語講師をやっている人、英語を専門として食べていきたい学生さんなどには、おすすめの一冊です。
巻末に付録の暗記用短文30が掲載されている
英語を本気で学んでいる人にとっては、嬉しい付録ではないでしょうか。
暗唱用の英文ってなかなか探すのが大変ですが、「行方先生が選んだ例文なら覚えよう!」と思えると思います。
英語好きな人には、おすすめの1冊です(^^)
解釈につよくなるための英文50 (岩波ジュニア新書)