こんにちはpoohishです。
グアテマラに滞在しているというだけではなく、ラテン系の方々と絡む機会の多い私ですが、彼らの考え方などを知るにつれ、意外とラテン人と日本人の考え方や言動が似てるなーとつくづく感じています。
彼らについて深く知るまでは、かなり違う人種だと思っていたのですが、日本人もラテン人たちも集団意識が強いため、似たところが出てきてしまうのかもしれません。
もちろん違う部分もたくさんあるのですが、今回は日本人とラテン人の考え方や言動について、とても似ていて興味深いと思ったことについてまとめてみました。
これを知っておけば、ラテンアメリカに来た時に現地の人と触れ合うのに役立つかもしれませんよ。
※ここでは「ラテン人」「ラテン系」という言葉を、ラテンアメリカの人やラテン文化圏の人のことを指しています。人種的な「ラテン系」のことではないので、そこを理解して読み進めていただければ助かります。
言い方が回りくどく直接的な言い方を避ける
これとてもびっくりしたのですが、ラテン人たちは何かネガティブなことを伝えるときには、直接的な言い方をあまりしません。
ポジティブなことを伝えるときには、ダイレクトに言うことが多く、そこはあまり人を褒める文化のない日本とは違うかなーと思うのですが、どうしてもネガティブなことを伝えなければならないときや、大きな頼みごとをするときには、かなり回り道をして伝えます。
「No」を伝えるときも、とても回りくどく、はっきりと「No」と言ってしまうことは相手を傷つけることにつながるのだとか。とても繊細な心の持ち主のようですが、あまりはっきり「No」を言わないところは日本人と似ているのではないでしょうか。
そんなラテンの方々。「日本人や他の外国人は直接的な物言いをしすぎる」と言うこともあります。確かに欧米系の人はそういう文化のある国が多いので、本当に直接的な言い方をしすぎて知らずにラテン人を傷つけているのかもしれません。
しかし日本人については、私は言語の問題だと思っています。スペイン語のレベルが、上級に達していなければ、上手に回りくどい言い方もできないでしょう。外国人慣れしているラテンアメリカの現地の方々は、そんなことにも慣れていますが、そうでない人だと直接的な言い方はかなり傷つくようなので、注意が必要です。
大きなトラブルになることは稀でしょうけれど、それが原因で相手に嫌われてしまうこともあるんです。
他人の噂が好きな人が多い
私はイギリスに長く住んでいたこともありますが、ヨーロッパの個人主義的考え方が強い地域の人相手だと、そこまで他人の噂話で盛り上がることはありませんでした。イギリスにいた時に出会った人で他人の噂話が好きだったのは、ラテンアメリカと少し似た傾向のあるスペイン人ですね。
個人主義が強い地域に比べると、日本人も相当他人の噂が好きだと私は感じています。集団意識が強いと、集団の中でそれぞれが何をしているか気になってしまうものなのでしょう。
ラテン系の方々も、非常に噂好きです。この噂好きは、日本人の噂好きをしのぐほど。日本人はあまりに噂好きすぎる人のことは敬遠する人も多い中、ラテン界ではなんだか噂話は当たり前なのかな?と思うほど噂好きな人が多いです。
しかし噂話はあまり好ましいものではないと思っている人も多いようで、地に足がついた感じの落ち着いた人はあまり他人の噂話をしません。
でもラテン系の方々、地に足がどっしりついた落ち着いた人が少ないと思います。女性のほうが噂好きなイメージがあるかもしれませんが、ラテン系の方々は割と男女ともに噂好きです。
女性同士の関係があまり良くない
女性の敵は女性。そんなムードがラテン界ではかなり蔓延しています。これもイギリスにいたときはあまり感じなかったんです。女性の敵が女性なのは、私たちの本能からも来るところですから、多少はイギリスでもありました。若い人の間では、そんなムードが漂っているようでしたが、20代後半以上では、あまりそんな雰囲気はなかったように思います。
しかし日本では、結構歳を重ねても「女性の敵は女性」的な雰囲気がありますよね。もちろん個人差はありますし、日本でも落ち着いた大人の女性は、あまりそんな感じはしません。それでも、個人主義の国よりは、そんな雰囲気が強いように感じます。
ラテン界ではこのムードが本当に強くて、表面では「その服かわいい」とか言っていたとしても、後から「あの人は見た目ばっかり気にして、中身のない浅い女だ」とか言っていたりするんです。日本でもそういう傾向があるかと思いますが、ラテン界ではスマートに綺麗な人はあまり好かれていないようです。
最もラテン系の人たちだって人間なので、先入観で嫌っていた女性が実は相当良い人だったと気づけば「あの人は浅い人間に見えるけど、本当は違う」と認識を改めます。でも「浅い人間に見えるけど」のところは変わりません。
どうでしょうか。日本でもそんな様子を見たことがないでしょうか。
「外国人は別」がまかり通っている
前述のように、女性同士の関係が非常に難しいラテン界と日本ですが、実はこれに関して他にも非常に似ている点があるんです。
それは「外国人は別」という暗黙のルールがあること。
別に女性同士の関係に限らず、日本でもなんとなく「外国人は別」という考え方がありますよね。日本人同士では問題になるようなことでも、外国人がやった場合は問題にならなかったり、「女性の敵は女性」が外国人には適用されなかったり。
最も日本で「外国人が別」が適用されるのは、白人や黒人など、「外国人」と聞いてすぐに思い浮かぶような人種のようで、アジア人は除外されるようですが・・・
ラテン界でもこの「外国人は別」という考え方があります。
私の実体験をご紹介してみましょう。
ある日、私のグアテマラ人の友達が、ある女性のことを「嫉妬深くて、いつも自分の旦那の周囲の女性をチェックしている。変なエネルギーがある。」と言っていました。でもその女性は、私には優しかったんです。
そのことを彼女に告げて、「そんなに知らないのに、そう決めつけるのはよくないよ」と言ったら「あなたは外国人だから、対象外なのよ。」と言われました。
それを聞いて、日本でも同じようなこと言っている人がいるし、実際そういうところがあるよなーと思ったものです。
ちなみにこの「外国人は別」という話、たくさんのグアテマラ人女性から聞かされました。特に女性同士の関係で、「外国人は別」が適用されるみたいです。
ちなみに余談ですが、上記の彼女、私の別のグアテマラ人女性の友達について、「噂好きそう」とちょっと悪いイメージを抱いていました。
しかし、その別の友達は若くてとても明るくて、とても良い子なんです。その子から噂話が出てきたことはありません。誰にでもフレンドリーで、男性とも仲良し。
「女性の敵は女性だけど外国人は別」ということを悲しみながら教えてくれた私の友達も、そんな考えに大きく影響されているなーと思った事件でした。
男性優位的な考え方がある
ラテン人たちの間では、非常に男性上位の考え方が強いです。現代の日本では、徐々にそんな考え方が弱まってきていて、家事ができる男性がかなり増えてきていたり、女性上司も徐々に増えてきたりしていますが、ラテン界ではまだまだこの男性上位の考え方が非常に強く残っています。
ラテン男性の多くは家事ができません。すべてを母親や奥さんにお任せします。料理ができる男性の方が珍しいです。それでも、女性が専業主婦ならまだアリでしょう。ですがグアテマラに絞ってみれば、女性は仕事が得られるならよく働いているように見えます。
「仕事が得られるなら」と言うのは、ラテン界では国にもよりますが、女性はあまり仕事に就ける機会に恵まれていないようなのです。女性が簡単に得られる仕事というのは、どうも限られているようです。
そんなところもひと昔前の日本と似ているのではないでしょうか。
また男性の浮気はドラマチックに問題にはなるものの、なんだかある程度許されている雰囲気があります。少なくとも男性は他の男性の浮気を見ても、「理解できる」という考えのようです。しかし女性が浮気をした場合は、男女両方からあまりよく思われません。
男女平等が色濃い国だと、男性の浮気も女性の浮気も、「よくあること」と思われているように見えるのですが。
日本でも、まだちょっと女性の浮気については否定的な意見の方が多いのではないでしょうか。
浮気をする男性が、女性の浮気について難色を示すのはよくわかりませんが、そういうところもラテン人と日本人は似ているなーと感じるところです。
そういう考え方をスペイン語では「Machismo(マチスモ)」と言います。ラテン人と深く関わることがあれば、特に女性はこの言葉を耳にすることがよくあるでしょう。
ラテン系女性も、このマチスモに苦しめられている人が多く、そんな考えを嫌う強い女性が増えてきているようですね。そんな部分も、日本に似ているかもしれません。
ただラテン界のマチスモは、日本のそれとは比べ物にならないくらい程度が酷く、見ていて恥ずかしくなることもあるくらいです。
家族や職場など集団の和が重要
こちらはラテン人たちの方が強烈ですが、ラテン界では家族や職場、または友達グループなどといった集団の和がかなり重視されます。特に家族はとても大事。そういう和を保つためなら己を殺すこともあるくらいです。その辺は、とても日本人に似ているなーと思います。
例えば、私がイギリスで働いていた時、上司という存在はもちろん敬意を持って接するべき存在でしたが、意見があれば普通に言えましたし、ある程度喧嘩しても問題はありませんでした。ファーストネームで呼びあいますし、極度にかしこまる必要はなかったように思います。
しかしラテンアメリカでは、上司はかなり重要。例えばルイスという人が上司なら、「ドン・ルイス」と敬意を込めた呼び方をされます。上司ではなくても、家族・親戚内で一番年上の人などもそのように呼ばれるようです。
もちろん上司には”Usted”という敬語にあたる「あなた」という言い方で話します。上司のご機嫌を損ねるのはあまりよくない様子。
またラテンの方々は、常に集団でいることを好みます。日本人はそうでもない人も多いので、それはそこまで似ていないかもしれませんが、とにかく集団意識が強いということは、とても似ている部分ですね。
人の目を気にする人が多い
ラテン人たちは、割と人の目を気にする人が多いです。日本人も非常に周囲にどう思われているか気にする人が多いのではないでしょうか。それは自分自身も周囲のことが気になっているからだと思うのですが、これについても日本人とラテン人は似ているなーと思います。
「周囲がこう思いそうだから・・・」という理由で、自分の行動を決める人も少なくありません。ちなみにここでも「外国人は別」と言われることがよくあります。「外国人はそれをやっても何とも思われない」なんてことは、よく言われました。
人からの評価に怯えている人もよく見ます。嫌いな人にもにこにことフレンドリーに接する人たちだから、相手もそうなのではないかと不安になるのでしょう。そういった部分も日本人に似ているなーと思うのでした。自分は相手のことを嫌いでも、相手には嫌われたくないという考えの人が多いようです。
まとめ
今回は日本人とラテン人の考え方・言動について、似ている部分をピックアップしてご紹介しましたが、読み返してみるとなんだかネガティブなことが多いですね。
これは別に日本人やラテン人の言動が良くないということではなく、なぜかそういったネガティブな部分が似ているんです。日頃から興味深いと思って観察していますが、日本で見た人間関係が、こちらでも発生していたりして、個人主義の強い国と集団意識の強い国では、人間関係の様子が違うんだと感じています。
日本人にもとても良いところがあるように、ラテン人にだって特筆すべき良い点があります。でなければ、私もラテン人に囲まれて生活することができないでしょう。
ですから、これを読んで「ラテン人は面倒くさい」と決めつけずにいてもらえればと思います。ラティーノたちの良い部分については、また別の機会にご紹介しようと思います。