外国語学習は泥沼化・長期化するのがリスクだと思っています。
特に細かい部分の読解ができないと悩む人が多いようです。
この記事はそういった方のヒントになるかもしれません。
自分は毎日のように英文読解を教えているので、ある程度考え方は固定されていて、答えは「単語・文法・英文解釈」しかないと思っています。
その理由を詳しく書いていきたいと思います。
▼もくじ
多読しても伸びない層が塾に来ます
個人的な意見ではありますが、ただ単に闇雲に読めばできるようにはなるわけではないという印象です。
そもそも、たくさん読んで伸びなかった人が塾に来ているので、一定の層に多読は向いていません。
というか多読で伸びる人は頭の良い人ばかりの印象です。
だいたいIQが高いか、ちゃんとした学歴がある人が多いですね。
なので、私みたいに読解を教えている立場の人でも意見は分かれると思いますが、「たくさん読めばできるようになる」 というのは個人的には全然信じていません。
確かに、一部の人はそれでできるようになるのですが、ずっと英語を教えてきて、たくさん読んでできるようになった人は超少数だからです。
というか、塾に来る人でたくさん読んでできるようになった人はほぼゼロ。
そもそも、たくさん読んで伸びるなら、英語塾に来ないです。
みなさんそれなりに試行錯誤してやっていて途方に暮れて塾に来るわけです。
別に多読を否定するつもりはありませんが、レベルに合った1冊を何度も繰り返し完璧になる学習も必要だと考えています。
英文の構造を把握することは大切
英語を読む際に大切なことがあります。
できるだけ適当に読み飛ばさないことです。
読み飛ばす癖をつけると、伸び悩みます。
細かい部分が読めないからです。
そもそも、
ゆっくり読んでわかない部分を急いで読んだら意味がわかるだなんて現象は有り得ないと思うんです。
でも、英文の構造が分からない時に自分で調べるには限界があります。
なので、英文を正確に読みたいのであれば、英文の構造がしっかりと解説されている本を使うべきで、自分の解釈があやしい部分は、英文の構造解説と照らし合わて読むことが大切です。
そして、自分の解釈と違う場合は、
間違った原因は何か突き止める
という原因の究明が肝要です。
①語彙(単語・語法・熟語・慣用句)を知らなかったのか
②それとも文法を知らなかったのか
を特定しない限りは、伸びは限定的です。
最近の学習参考書は構造の解説が超詳しい
こういった学習をするには、出版年の新しい大学受験の学習参考書を使うのがおすすめです。
最近の流行りなのか、英文の構造を全解説されているものが多く、正確に読む訓練を効率よく済ますことができます。
語句注も豊富で、その英文では何詞として使われているのか、品詞も明示されている本がほとんどです。
英文を読む際に疑問点を残しにくい構成となっているので、非常に有益です。
英検やTOEICなどを受けるからといって、解説の薄い資格試験の本を使うのは、英語学習を長期化しやすい原因となります。
なので、英文の構造が書かれていない本は、解説が無くても自分で説明できるレベルになるまでは使用を避けましょう。
これは英語学習の盲点だと思います。
社会人の勉強は漫然としがち
みなさんお仕事をされながら英語を学習されていると思うので、
①学習時間が足りていない
②疲れもあるので漫然と勉強してしまう
大半の社会人の方は、やる気は多少なりともあっても、効率が悪い状況・環境で勉強している事も多いです。
英語学習が長期化しやすい1つの大きな要因です。
何事も泥沼になって、長期化すると精神的に疲弊します。
先ほど書いたような良書を使って、効率よく学習をすすめていくのが大切です。
人生は短いです。
できるだけ遠回りせずに、サクッと目標の点数や英語力を手に入れて、自分の好きなことをすることが幸福度を上げるコツだと思います。
苦行だけで人生が終わってしまっても仕方ありません。
語学は1円玉で1億円を貯めるようなもの
語学って、やっていると1円玉で1億円を貯めるような気分になりますよね。
英語学習ってそういうものだってわかってもいる。
みんな、英語は会社や仕事の関係で、何かしら必要し、忙しいけど、やらないよりはやったほうがいいのでその1円を貯めるわけです。
でも、全然1億に到達しないので、モチベーションがもわもわしている状態が続く。
こういう感じが、今の社会人の方に多いと思います。
だって、自分の自由な時間を犠牲にしているわけなのに、全然結果が出ないんですよ!
語学学習の辛い部分だと思います。
かつての私も何年もそのような状況を漂っていましたが、英語学習者や韓国語学習者など、外国語学習をしている方とお話をすると、大体同じような話になります。
集中的にコミットすることが逆に学習を楽にする
逆に、英語力・学力という貯金がある程度貯まってくると、だいたいわかるので、モチベーションが維持しやすいですよね。
なので、読解なら読解を、リスニングならリスニングをひたすら半年や1年くらい続けるというのは、戦略としてアリだと考えています。
色々と浮気するよりも、1つの技能に特化するほうが良いです。
できないものには目をつぶって、いったん1技能に特化して攻略しましょう。
例えば、読解は紙ベースで解決可能なので、個人的には比較的攻略が楽だと思っています。
リスニングは原因が複合的なので、難しいです。
相手の話を聴くだけの作業ってつまらなさ過ぎるってのもあります。
TOEICリスニング連続満点でもネイティブの英語は聴けないのが普通です
私自身はTOEICのリスニング満点を取ってから渡米しましたが、最初の3か月くらいは辛すぎて、Netflixを毎日字幕無しで見て訓練していました。
1年居て、だいたいわかるようになりましたが、TOEICのL満点からさらに1年くらいリスニングに費やしたことになったわけです。
(しかも今はリスニング落ちてきています・・・涙)
とにかく、リスニングだけでも相当時間を投資しました。
それぐらいが普通だと思っておかないと、短期間にやってあれこれやってダメ・・・
あ~、英語って身につかないのでは・・・
と思ってしまいがちです。
私自身もそう思っていました。
違います。
短期間にコロコロ学習法や使う本を変えるのがいけないんです。
もちろん、自分のレベルに合ったものを続けないと意味がないので、合わないものを続けても仕方ありません。
しかし、自分なりに手ごたえがあるものは、最低でも数ヶ月や半年程度は続けましょうってことです。
みんな失敗するのは短期で切り上げてしまうからです、ってこと、ぜひ覚えてもらいたいです。
まとめ
読解について、再度お伝えしておきたいことは、
①学習初期に構造解説がない本を使わないこと
②構造を取れない理由のほとんどは、文法知識不足か語彙不足(←そして、きっと皆さんそんなのは知っている)
③文構造が完全にわかるのに理解ができない場合は、たいていの原因は名詞構文にあること
という感じでしょうか。
大半の方は①と②だと考えています。
英語も韓国語、外国語学習というのは継続が大切ですが、うまく工夫しながら乗り越えていきましょう、という話でした。