海外で仕事を探す時には、たとえそれがバイトのような軽い仕事だったとしても推薦状(リファレンス)というものを求められることがあります。
特に欧米ではメジャーな存在のリファレンスですが、一体どういったものなのでしょうか。ここでは、リファレンスとその書き方についてご説明していきます。
リファレンスってなに?
リファレンスとはreferenceと書き、
日本語で言うなら推薦状になります。
これは、自分がどのような人間なのかということを、自分をよく知る第三者に書いてもらうものです。
いくら本人が「自分は真面目に仕事をする」と言ったとしても、それが本当かどうかはわかりませんよね。
そんなときに、実際の働きぶりを知る人に書いてもらった推薦状が参考になるというわけです。
雇う側は雇う前からその人の仕事ぶりや人となりを知ることができますし、応募する側は、自分のことを正確にアピールできるという利点があります。
この推薦状という習慣は日本ではあまり馴染みがありませんが、海外で仕事を探すというときは、この推薦状の提出が必須事項なことも珍しくありません。
特に、正社員のような正式な仕事をする場合は、推薦状が必要になることが主流です。
それだけではなく、バイトのような仕事をするという場合でも、推薦状を求められることもあります。
推薦状(リファレンス)を書いてもらう相手の選び方
では自分が英語圏での就職活動をする場合、リファレンスは誰に書いてもらえばいいのでしょうか。
通常、リファレンスは前働いていた会社の上司に書いてもらうことになります。
職歴がないという人でも、学生時代のアルバイト先の上司に書いてもらえば大丈夫です。
また、新卒だという場合は、学校の先生に頼むのもありです。
学生時代にボランティア活動をしたことがあるなら、そのボランティア施設などの責任者にリファレンスを書いてもらうといいでしょう。
ちょっとしたバイトなら、ルームメイトにリファレンスを書いてもらった人も見たことがありますが、それは最終手段となります。
リファレンスは、2、3人分を求められることも多く、1人は職場の上司や学校の先生に頼めたものの、もう1人が見つからないという場合は、ルームメイトに書いてもらうという手段を取ってしまってもいいでしょう。
そんな場合は普段の暮らしぶりについて記述してもらうことになりますが、やはり出来れば職場や学校、ボランティア活動など公的な場面で関わった人に書いてもらうのが賢明です。
日本でしか働いたりした経験がないという場合は、前職の上司や学校の先生に、リファレンスについて説明することが必要になります。
この場合、できれば英語ができる人に英語でリファレンスを書いてもらうのが望ましいでしょう。
しかし、日本国内ではそれはなかなか難しいですよね。
そんなときは、自分で翻訳しようとはしないでください。
特に大事な就職活動なら、翻訳業者にお願いするべきです。
自分が誰かの推薦状(リファレンス)を書くことになったら・・・
リファレンスをお願いする側ではなく、自分がリファレンスを書く側になることもあるでしょう。
特にちょっとした役職についている人や、学校などに勤めている人、知り合いに海外就職をしている人が多いというような人だと、そんな機会に見舞われることもあるかもしれません。
リファレンスは翻訳業者にお願いすることもできますが、リファレンスを頼まれたということなら、多少外国人っぽい言い回しや書き方になったとしても、自力で英文で書いてもいいでしょう。
ただし、それは英語上級者にあたる人に限ります。外国人っぽい文章だったとしても、十分正式な文書として出しても、問題ない英語力があるからです。
英語は多くの国で話されている言葉なので、英語のネイティブで外国人を雇うことがあるという人は、外国人っぽい文章には慣れており、それで正式な文書ではないと判断することはほとんどありません。
しかし、「外国人っぽい文章」と、「間違えだらけの文章」というのは違います。
英語力がまだ上級とは言えない人だと、
「間違えだらけの稚拙な文章」に該当するリファレンスを作成してしまうかもしれませんから、そういった場合はプロの翻訳者にお任せした方が安全です。
その方が就職にも有利になることを伝えて、翻訳者を使うように提案するようにしてください。
英語の推薦状(リファレンス)の書き方
自分がリファレンスをお願いする側でも、お願いされる側でも、書き方がわかっていないとリファレンスの意味がありません。
自分が誰かにリファレンスをお願いする場合、その人が日本人ならリファレンスの書き方を知っているとは考えにくいでしょう。
どういったことを書けばいいのか、必ず事前に話しておくことをおすすめします。
リファレンスには、本人とどういう関係なのか、どういう会社・学校・プログラムなのかという情報が必要になります。
そして、本人がその中でどんな働きをしていたかという情報を含めます。
仕事や勉強に対しての姿勢だけではなく、普段のコミュニケーション能力や人間力についても記述が必要です。
リファレンスは短すぎてもよくありませんが、長すぎるのもよくないので、うまく濃密にコンパクトにまとめられるのが理想的です。
リファレンスには特別な形式というのはなく、お手紙方式で相手の会社に書くことになります。
具体的には次のような文章の流れだとスムーズでしょう。
December 10, 2017
Dear Mr. Tanaka
I am delighted to be called upon as a reference for Mariko Tanabe. She worked as a project leader for several projects in my team for three years. It has been a pleasure to have her in my team and I would rank her as one of the best colleagues I have ever had.
(推薦状を書けることについて、嬉しく感じているというようなことを思わせる書き出しです。内容はどんなものでも構いませんが、ここでは、たなべまりこさんの推薦状を書けることについて嬉しく思うということ、彼女がどんなポジションで働いていたのかということ、一緒に働けてよかった、彼女は最高の同僚でした・・・というようなことを言っています。)
She has always been a great problem-solver. We have gone through so many problems together and if she had not been there, it would have been difficult more for us to aim the target.
文章はもう2、3文追加した方がいいですが、具体的に彼女がどういう仕事ぶりをしていたのかということを説明しています。
「彼女は問題解決に強く、私たちは一緒にたくさんの問題を解決してきました。もし彼女がいなかったら目標を達成することはもっと困難だったでしょう。」
というようなことを言っています。
そのほか、性格や時間に厳しいかどうか、彼女をどう評価しているかというようなことを含めます。
I am confident that Mariko will be a credit to your company. I highly recommend her as a promising candidate.
Please feel free to contact me if you require further information of her.
相手の会社にとって、彼女が功績を残す有望な人材なのでおすすめします。
というようなことを結びの言葉としてつけます。
最後にもっと詳細を知りたければ、ご連絡くださいと付け加えてもいいでしょう。
Yours sincerely,
Taro Yamada
といったところでしょうか。
文章については、ビジネス英語になるように気をつけてください。カジュアルな言い回しは厳禁です。
まとめ
英語圏での就職にはほぼ必須とも言えるリファレンス。すらすらと書けるようにしておけば、もしも自分がリファレンスを書く立場になったときでも、誰かに頼む立場になったときでも安心です。
英文は、そのときそのときによって変える必要がありますが、大体の流れはここで示した例を参考にしてください。