これまで英検の勉強法についてご紹介してまいりましたが、どの級を受けるとしても単語力が不可欠だということに気づいた方も多かったと思います。複雑な文法や難度の高い読解でミスをするのに比べ、単語を知らなかったことによるミスには大きな悔いが残ります。
そこで今回は「英単語の暗記が苦手・・・」という方向けに、いくつか暗記法をご紹介していきたいと思います。
▼もくじ
暗記法その1:声に出す/書く/見る
アナログですが、一番なじみのあるのがこの方法ですね。3つのどれか一つ選ぶというよりは、組み合わせて活用すると効果的です。
声に出す
“church”を「ちゅるちゅ」、”environment”を「えんびろんめんと」などと頭の中で発音しながら覚えた経験のある方はいらっしゃいませんか?このように、「単語の意味は分かるけど読み方は適当!」という方にぜひ試していただきたい方法です。
やり方は簡単で、覚えるときに単語を声に出すようにします。最近は、市販の単語帳に発音CDが付属されている商品も増えましたので、発音記号が苦手な方はそれを参考にするとよいでしょう。スペルに対する正しい発音が分かるようになると、スペルミスが格段に減ります。後ほどご説明しますが、リスニング力アップにも絶大な効果があります。
書く
ひたすら手に覚えさせる!という方法です。白紙を用意して、回数を決めて暗記する単語を書き連ねます。ちなみに私自身は、この方法で覚えたことはほとんどありません。やり方がどうも私には合っていなかったようで、「書くこと」が目的になってしまい頭にちっとも入ってこない・・・というのがわかったので早々に止めてしまいました。学校や塾によっては、「その日の授業で間違えた単語を〇回ずつ書いてくる」というのを宿題にしているところがあったりするようですが、私のように合わない方もいらっしゃると思うのでこれからご紹介する他の方法をいろいろと試してみていただきたいなと思います。
見る
声に出すのは恥ずかしいし、書いても覚えられないから、ひたすら見る!!という方法ですね。隙間時間に覚えたいという方にはおすすめですが、もともとの暗記スキルが高めの方でなければ、ただ単語が目の前を通り過ぎていくだけになってしまいますので要注意です。後ほどまた述べますが、いかに緊張感を高めるかが「見て」覚えるポイントです。
暗記法その2:アプリを活用する
いまどきの覚え方ですね。私が学生の頃はアプリで勉強する習慣はなかったのですが、最近の学生さんはアプリを活用しながら楽しく英単語の勉強をしているようです。
モチベーションの維持が難しい方や、普段は他の方法を使っているけどたまには息抜きで楽しく暗記したい!という方におすすめしたいと思います。
英検やTOEICに特化したもの、学年や受験対策に合わせたものなど目的に合わせてアプリ選びにもこだわりたいですね。
暗記法その3:似ている単語を同時進行で確認する
例えば、”incredible”という単語があります。「信じられない」という意味の形容詞で、有名な映画に「Mr. incredible(ミスターインクレディブル)」があるのでなんとなく意味を知っている人が多いと思います。
さて、この単語はよく見ると3つの部品に分解することができます。
“incredible”
=”in-”「~ではない(否定)」+“-credit-“「信用、信じる」+”-able”「~できる(可能)」
クレジットカードを想像すれば“-credit-“の意味にはなんとなく思い当たりますし、”be able to~”を思い出せば”-able”は可能を表すというのもわかると思います。ここで特に大切なのは、頭の”in-“で、ここに否定の意味があることを知っていれば単語の意味はすぐに分かります。「信じることができる(credit+able)」を否定するわけですから「信じられない」という意味になるんですね。
そこで、同じように”in-“から始まる他の英単語についていくつか見てみます。
“incapable”
=”in-“「~ではない(否定)」+”capable”「有能な、可能な」
=「能力の低い、できない」
“incorrect”
=”in-“「~ではない(否定)」+”correct”「正しい」
=「間違いの」
“ineffective”
=”in-“「~ではない(否定)」+”effective”「効果的な」
=「効果的でない、無効な」
いかがでしょうか。いかにも混同してしまいそうな”in-“からはじまる複数の単語について、分解しながら覚えることですっきり整理しながら頭に入れることが出来ますね!市販の単語帳の中には、そういった単語をまとめて掲載してくれているものもありますし、1つの単語を覚えるのに時間をかけているように見えて実は一気に複数の単語を覚えられているという、効率アップにぴったりの方法です。
暗記法その4:英英辞典に触れる
みなさんは英英辞典を使ったことはありますか?「なにそれ?」という方もいらっしゃるでしょうか。英英辞典とは、英単語の説明が英語で書いてある辞書で、日本の国語辞典の英語バージョンのことを指します。高校生以上の方であれば、日ごろの勉強でこの英英辞典を活用することをおすすめしています。
例えば先ほどの”incredible”を英英辞典で引くとこのように書いてあります。
<incredible>
extremely good, large, or great(極めて良い、大きい、素晴らしい)
too strange to be believed, or very difficult to believe(信じられないほど奇妙、とても信じがたい)
(出典)ロングマン現代英英辞典 ※英語部分のみ
単純に”incredible=信じられない”と覚えていた時よりも、ニュアンスが掴みやすくなったと思いませんか?そして同時に、説明文に用いられている他の英単語に触れることもできます。英英辞典は、単語のテスト直前に使うツールではないかもしれませんが、この方法で単語を覚えながら英語力を確実にアップさせることが出来ます。
暗記法と合わせて試してみてほしいこと
ここまで、英単語の暗記法についてご紹介してまいりました。
最後に、お伝えした暗記法と合わせてぜひ試してみていただきたいことをご紹介したいと思います。
ディクテーションも効果的!
先ほど、単語を声に出して覚える方法をご紹介いたしましたが、反対に発音された単語を書きとるという訓練(ディクテーション)も有効な方法です。リスニング試験の対策になるのはもちろんのことですが、正しい発音が分かっていなければ音をスペルに起こすことはできませんのでスピーキングのスキルも高めることが出来ます。単語暗記・リスニング対策・面接対策が一気にできる一石三鳥テクニックです。
自分で自分をテスト!暗記には常に緊張感が必要
先ほど、単語を見て覚えるという話の時に、いかに緊張感を高めるかが大切だと述べました。移動中の隙間時間に単語帳を開いたり、家の至る所に単語のリストを貼ったりすると、「暗記した感」が出てしまいますが、実際頭に入っているとは限りません。単語の暗記に苦手意識を持っており「頑張って覚えてもすぐ忘れてしまうんです」とおっしゃる方はこういう傾向が強いように思います。これを解消してくれるのが「緊張感」です。毎日、その日間違えた単語や頑張って覚えた単語を紙に書き出しておいて、明日の自分をテストしてみましょう。間違えたら翌日のテストにも再び出します。覚えられなければどんどんテスト問題が増え、単語暗記に割く時間が膨大になっていきます。このようにテストとペナルティを自分に課すことで緊張感を持たせて集中するのです。
単語暗記に王道なし!自分ぴったりの方法を見つけよう
英単語の暗記法についてご紹介してまいりました。英語に限らず、勉強には暗記がつきものですが、その方法に王道はありません。モチベーションを保てる方法、集中力が上がる方法を探して、自分ぴったりの方法で単語暗記を制しましょう♡