私は、たまたまなのですが、受け持ちの学生が医学部志望の学生が多く、今までかなり多くの医学部受験生を見てきました。

医学部受験予備校でも通年講座を担当。

加えて、個別クラスも受け持ちました。

指導していて気付いた、受かるタイプ・受からないタイプは様々ですが、やはり特徴はあります。

今受け持っている学生への喝とともに、そのうちの1つをご紹介したいと思います。

私立の医学部受験に対する認識が甘い

今まで受け持ってきた学生でも、認識が甘い学生が多々いました。

逆転合格する学生はもちろんいますが、認識が甘く自主性のない学生は大半不合格になっています。

最低限、医学部受験がどれくらい難しいのかは自分で確認しておきましょう。

倍率を知るだけでも全然意識が変わると思います。

私立医学部受験の倍率は超高い

いくつかの大学の倍率を見てみましょう。

福岡大学

受験者 2,608人

合格者 144人

18.1倍

杏林大学(一般)

受験者 2499人

合格者 135人

18.5倍

東邦大学(一般)

受験者 2,944人

合格者 111人

26.5倍

金沢医科大学(一般前期)

受験者 3,189人

合格者 110人

28.9倍

埼玉医科大学(一般前期)

受験者 1951人

合格者 72人

27倍

帝京大学(前期)

受験者 7695人

合格者 181人

42.5倍

近畿大学(後期)

受験者 580人

合格者 9人

64.4倍

金沢医科(後期)

受験者 1,249人

合格者 10人

124.9倍

 

ざっとこんな感じです。

これ、そこそこ勉強していれば受かるのでしょうか。

私が受験生なら、必死に勉強すると思います。

全国には必死に勉強しているライバルがいると、容易に想像できるはずです。

まさか、自分の学校の同級生の雰囲気だけで、勉強のノリを決めていませんよね?

「周りはあまりやっていないから、まぁ大丈夫かな・・・」とか、そんなの日本全国で考えたら全然違いますよ。

自主性がないと受かるレベルではない

私立医学部に受かる学生も、物凄く勉強ができる学生もいれば、そうでもない学生がいます。

能力的にはさほど高いと思わないのですが、受かる学生と落ちる学生は何が違うのかというと、

 

執念

 

だと思います。

受かろうという覚悟とか執念すね。

もうね、意識が全然違うんです。

受かる人の中には、「どうにかなるだろう」なんて思っている人は少ないです。

ひたすら集中して、人よりできるだけ多く覚えて受験に臨もうとする学生たちと対決しないといけないにもかかわらず、

「こんなもんでいいだろう」

程度の意気込みで受かるはずがないです。

偏差値の高い学校で、いつも上位だったけど、「たまたま落ちた」みたいな学生は別かもしれませんが、高校時代に普通の成績だった人やあまり勉強をしてこなかった人は、相当努力しないと全然受かりません。

ってか、見ればわかりますが、いや、ちょっと勉強して、まぐれで受かる倍率じゃないですよ。

勉強量も戦略も必要

私立の医学部に受かるには、

[box03 title="ポイント"]浪人中にもかかわらず、受験前にセブ島でのんびりして、受験したら100%受かったと確信して待つ・・・[/box03]

みたいな人が最近東京の私大の医学部合格者にいたらしいですが、お父さんが根回ししてくれて、点数がアップして受かるとか、そんな裏技は普通の人には無理ですね(笑)

ってか、受けた瞬間に合格を確信とか神か。

個人的には、そういう人が医者になったらダメだと思いますけどね。

なんてのは、余談ですが、医学部受験には戦略も必要です。

過去問を解いて、自分に合っている大学を受ける

これ大切なのですが、保護者の方の中には、

「おすすめの大学を教えてください」

という質問をしてくる方がいます。

厳しいことを言いますが、戦略面でもうアウトです。

それじゃあ、受かりません。

なぜかというと、

受かりやすい大学というのは自分自身しかわからない

からです。

人によって得意・不得意な分野というのは違うので、受けるべき大学は人によって違います。

過去問を解いてみないとわからないことばかりで、その前に志望校を決めるほうがリスクが高いと言えます。

相当学力が高くないと、志望校を絞るのもかなりハイリスクです。

それくらい私立の医学部は倍率が高いし、受かりにくいです。

先ほどの裏口ででもして入らない限り、非常に難しく厳しい試験です。

そもそも人生をかけて受ける人たちがいる中で、家庭教師や個別指導の先生に言われないとやらないようなレベルの学生は、受かってもギリギリですし、偏差値の高い大学は最初から無理かもしれません。

英数が苦手だと1年では厳しい

あと、これは声を大にして言っておきたいですね。

医学部受験に限りませんが、科目数が多いと、短期での逆転の可能性はどんどん下がると思って頂いて結構です。

特に、私立の医学部に行きたい・行かせたい場合は、能力ややる気を考慮して戦略を立てましょう。

自分のお子様のやる気が乏しかったり、認識が甘かったりする場合は、1年で決着を付けようとしないほうがいいです。

英数を固まるだけでも普通に1年は必要です。

英数に加えて、理科やセンター利用のための現代文が入ってくると、一気に勉強時間が分散され、成績の伸びが限定されます。

医学部受験予備校でも、やはり成績が悪い学生はほぼ全員2浪していました。

どこの予備校もそうですが、

「1年で受からせます」

という甘い言葉に(保護者が)釣られて入学するケースが多いと思うのですが、その講師だった人間からすると、最初から無理と分かっているゲームです。

いや、そんな簡単に医者になれるなら、皆さんなっていますからね。

相応の努力は必要ですし、ある程度の能力も必要です。

話は戻りますが、いや、英語を10ヶ月かそこらで、他の科目をやりながらとか、ちょっとなめてますよね。

英語って、めっちゃ伸びにくい科目で、大半の人は1年では難しいのが実情です。

なので、全体的な学力が低い人は、「1年目は英数に専念」ってのは悪い戦略ではないと思います。

欠点は、モチベーションですね。

英数だけやって伸びなかった場合、2年目は窮地に追い込まれますし、勉強自体に飽きてきて、だらけてしまう可能性はあります。

しかし、安心してください。

英数が苦手だと、医学部は受かりませんから。

「苦手ではないけど、そこまで得意ではない」という状態にまで持って行かないと、そっちみち受かりません。

なので、どうあがこうが、英数からは逃げられませんので、英数はどうにかして攻略しないといけません。

それなら1年、英数だけやるってのは、悪くないと個人的には考えます。

ちなみに、短期集中で1つのことをやったほうが良い結果が出るというのは、論文などでも報告されているので、ちゃんと実証されているやり方だとも考えられます。

色々と書きましたが、考えが甘いと思った人は、今日から猛烈に頑張りましょう。

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